主題歌からは壮大な宇宙との繋がりを感じる

――三浦さんが主題歌を担当されている『ぼくらのよあけ』に関しても聞かせてください。作品に惹かれたポイントはどこでしたか?

 宇宙というとても壮大なものと、生活や人々の日常、人間の心のようなとても身近なものが同時に描かれている作品という点が、僕はとても好きでした。今井(哲也)さんの描かれている原作もそうですけれど、一大スペクタクルばかりに目が行くんじゃなくて、キャラクターの心や生活がちゃんと情報として入ってくる作品なので、身近なところと宇宙がしっかりかみ合っているんです。

――主題歌『いつしか』はアーティストのNao'ymtさんとの楽曲です。製作段階から三浦さんは携わっていたんですか?

 Naoさんには、基本お任せでお願いすることが多いんです。Naoさんがつくってくれた最高の1曲を、自分が表現者としてちゃんと表現するというスタンスでやっています。なので今回も、そういう感じですね。僕からは何も言わずに、Naoさんが思ったままというか、三浦大知というプラットフォームでNaoさんが思うように作っていただけたら、という形でお願いしました。

――Naoさんから『いつしか』が上がってきたときは、どういう印象でしたか?

 この作品の世界をとても表している楽曲で、本当に素敵だなと思いました。楽曲の一番最初はとても静かに、地面に足がついた状態で自分の心に問いかけるようなところから始まり、だんだん宇宙に向けて飛び立っていくような感じになるんですよね。地面が少しずつ遠くなっていく、上にのぼっていく感じで、後半に向けてどんどん壮大になっていく。心と心がつながっている部分が、ちゃんと楽曲の最後においてある流れなので、今自分たちがいる現在と宇宙というものを結びつけるような構成になっているんじゃないかな、と感じています。

 また、本作は子供と親の両方の視点から描かれていますが、自分自身が子供だったころの記憶にも響いたところはありました。今、自分にも子供がいるので、自分から我が子を見たときに思うことともリンクするようなところもありましたね。

2022.10.21(金)
文=赤山恭子
写真=佐藤 亘