麺類は本人が思っている以上に噛む回数が少ないままで飲み込んでいるので、それだけでも胃に負荷をかけていて、麺類を食べた後の人のおなかをCTで撮ると、胃の中に麺が残っているのが一目でわかるほど。そもそも小麦はグルテン含有のため、胃で分解されても病気の時は吸収が悪くなるので避けたほうがいいでしょう」
先生のオススメは“常温の”ゼリー。逆にオススメできないものは…
おかゆのほかに大久保医師が勧める食品がある。ゼリーだ。
「ゼリーは糖質が入っているし、水分も補給できる。ただ、冷たいとのど越しがいいので食べ過ぎて吐き気を誘うことになる。常温のゼリーをゆっくり時間をかけて食べるのがおススメ。果物も悪くはないのですが、柑橘系やリンゴのような繊維質のものは胃酸が出てしまうので避けたほうがいい。どうしてもリンゴが食べたいならすりおろしてください」
一見体によさそうで、しかもおかゆに入れたら合いそうに見えて、じつは胃が疲れているときには避けたい食材もある。
「キノコや長ネギなどは消化されないのでそのまま食べないほうがいい。海苔などの海藻も消化の面ではお勧めできませんね」
肥満気味の人には1食抜くことも胃腸にいいケースが
なお、ここまでは「標準体型~痩せ気味」の人の対策だ。肥満傾向の人は色々と考える前に、一食くらい抜くことを検討したほうがいいという。
「1日とか数日にわたって断食すると胆のうが動かなくなるので危険ですが、肥満気味の人が日に一回の食事を抜くくらいなら、胃の休息に加えてダイエットにもつながるのでかえって効果的。抜いた後の食事こそおかゆのような緩めのメニューにすれば問題ありません。でも基本三食“量を減らして”きちんと摂取するのが最適なのですが……」
あとはとにかく水分摂取に努めること。といっても炭酸水はNG。のど越しは爽快感があるが、弱っている胃には刺激が強過ぎる。基本は水か白湯だが、吸収力に優れて塩分と糖質も補給できる経口補水液を常備していると安心感は高まる。
2022.08.31(水)
文=長田 昭二