「肉や、バターリッチのお菓子など“脂肪の摂取”を控えめにして、胃酸を抑える薬を使ってもなお胃の症状が治まらないときは胆汁が悪さをしていることを疑います。この場合、胆汁が貯留すると胆石ができて危険なので、下(大腸側)に流して排泄させる薬を使います」
同医師によると、運動不足も便秘傾向となるため、胆汁の逆流を招くリスクを高めるとのこと。ステイホームで運動量が激減している昨今、それが原因と思われる症状に悩む人が激増しているという。
人間とて動物である以上、つねに動き回ることを想定して体はできている。K氏もちょこまか動き回れば、立ちどころに胃の問題も解決するような気がするのだが……。
おかゆ?うどん?ワンパターンになりがちな「胃の不調時には何を食べればいいのか」問題
ということで、K氏にはなるべく早めに胃の内視鏡検査を受けることをお勧めして、もう一つの議題である「胃の不調時には何を食べればいいのか」に話題を移す。
胃の調子が悪い時にはおかゆやうどんがいいのは誰でも知っているし、その理由が“消化がいいから”というのも読者諸賢ご承知の通り。なのでそのあたりのことを大久保医師には、医学的な視点で理由付けをしてもらった。
「“消化のいい食べ物”を言い換えると“水分が多くて分解されやすい食べ物”となります。糖質は分解されやすいので、胃に負担をかけにくいのですが、水分が少ないと胃の中に滞留する時間が長引くので、胃に負担がかかってしまうのです。
中でもおかゆ(米)は小さいので、“消化の良さ”という点ではうどんよりも適している。米だけのおかゆが一番だが、それだけでは味気ないので、豆腐や卵などを加えてもいいですね」
意外に胃に負担をかけがちな“麺類”。「食べた後の人のおなかをCTで撮ると…」
糖質がいいならパンでもいいのだろうか。
「パンそのものは悪くないのですが、バターや卵による脂肪が含まれるので、胃酸が出やすくなる。ラーメンも脂質が多いし、そばはそもそも消化が悪い。
2022.08.31(水)
文=長田 昭二