冷たいものを食べ過ぎた。

 ついついビールを飲み過ぎた。

 結果として胃が痛くなったり重くなったり……。

 この時期、そんな「おなかの悩み」に悩まされる人があちこちで増殖する。

 そんな時は食べないほうがいいのか。あるいは胃にやさしいものを食べるべきなのか。そもそも「胃にやさしいもの」って何なのか……。

 いまさら人に訊くのも恥ずかしいそんなことを、読者の皆さんに代わってお医者さんに訊いてきました。

「最近胃が重いんですよ」「おかゆがいいんじゃないかな、たぶんね」

「最近胃が重くて仕方ないんですよ。やっぱりこんな時はおかゆでも食べていたほうがいいんですかね……」

 すでに自分で回答を出している質問を、医者でもない筆者に問いかけてくるのは、「文春オンライン」編集部のK氏(31=新婚)だ。

「そうだね、おかゆがいいんじゃないかな。いいと思うよ、たぶんね」

 妙に断定的なことを言って、あとで医師法違反にでも問われたらいやなので、適当に受け流すのだが、K氏はさらに畳みかけてくる。

「なんで胃が重い時におかゆがいいんですかね。うどんもいいと言うじゃないですか。おかゆとうどんだったらどっちがいいんですか。おかゆとうどんを交互に食べていれば胃が重いのは治るんですか? ねえ、どうなんでしょう?」

「……あまり考えたことないなぁ」

 K氏の飽くなき探求心にタジタジとなった筆者は、その筋の専門家に話を聞きに行くことにした。面倒なのでK氏も連れて行った。

そもそも胃腸の具合が悪いときには何が起きているの?

 相手をしてくれたのは山王病院(東京・港区)副院長で消化器内科部長の大久保政雄医師。

 まずは「おなかの症状」の原因をザックリと知る方法を訊ねると、こんな答えが返ってきた。

 

「症状が“痛み”の時は胃などの上部消化管の異常、“重い”と感じるとき、特に症状に“波”があるときは胃炎もありますが、大腸などの下部消化管で起きていることが多いんです。

2022.08.31(水)
文=長田 昭二