実は、そうした事態に備えて、スマホ内部の充電回路は常に電池の温度を見張っていて、電池が熱くなりすぎると一時的に急速充電から低速充電に切り替えるようになっています。こうして電池が冷えるのを待つのです。充電中にスマホを見たら「急速充電器に繋いでいるのに“低速充電”と表示されている」場合がありますが、それは電池を冷やしている最中なのです。

 実際には、スマホの充電回路と、スマホに繋いでいる充電器やモバイルバッテリーが連携を取って充電をしています。内蔵電池が十分に冷たいと、スマホの充電回路が充電器側に「急速充電できます!」というメッセージを送り、充電器側がこれに応えて急速充電にします。逆に電池が熱くなると「急速充電できません!」というメッセージを送るのです。

 

 ただ、充電時に注意が必要なこともあります。独立行政法人 製品評価技術基盤機構、通称NITE(ナイト)が、モバイルバッテリーが爆発したり機器が燃えたりするショッキングな映像を公開して、「スマホやデジカメなどの交換用電池や充電器は、できるだけ純正にしましょう」という注意喚起を行っています。激安品は温度センサーや保護回路、通信回路などの高い部品を省いていることがあり、危険なのです。

 確かに純正がベストなのですが懐事情もあるので、安く買いたい場合はネット通販ではなくリアルの量販店で購入するのをオススメします。量販店なら、仕入れのバイヤーさんが安全性や信頼性を担保しているので、粗悪品を掴まされることはほとんどありません。

 また、充電中はそのままでOKとはいっても、夏場の車のダッシュボードに置いて充電をしたり、タオルが入ったバッグの中でモバイルバッテリーに繋いで充電するのは避けたほうが良いでしょう。どちらも熱の逃げ場がなくなり危険です。

使用中に熱くなってきたときは?

 では、動画やゲームを楽しんでいるときに、スマホが熱くなってきたときは、どう対処するのが適切なのでしょうか。

2022.07.09(土)
文=藤山 哲人