実は、こちらも基本は「自然に冷えるまで、そのまま待てばOK」です。あまりにも処理が複雑でCPUが熱くなりすぎると、スマホ内部の温度センサーがそれを検知して、ワザと計算を遅くしてCPUを冷やしてくれるのです。ゲーム中に突然動きが鈍くなったりするのは、主にこのためです。

 もっと熱くなり、電池やCPUからの発火の危険性が出てくると、スマホ自体の電源を自動で切ることすらあるのです。

 スマホが熱くなってきたとき、背面を冷やしてあげたくなることもありますが、例えば保冷剤の上に載せたり、冷蔵庫に突っ込んだりして急激に冷やしてしまうと「露付き」、つまりスマホ内部に結露が生じる原因にもなりかねないので、避けたほうが良いでしょう。

 もし、スマホを冷やすのであれば、ファンが付いているスマホクーラーを使うのがオススメです。また、金属製のケース(AV機器など)や、揚げ物を作るときに使う金属製の料理用バットの上に置くのも良い対処法です。

スマホにはカバーをつけないのが理想

 さて、ここまで読んでいただいた方はお察しの通り、スマホの裏側は電池やCPUの熱を冷やす放熱板の役割も兼ねています。だから、熱対策としては、スマホにカバーをつけないのが理想です。

 ただ、落下保護用としてケースはぜひつけたい、というのがユーザーの心理。そこで、できるだけ「薄い素材」「金属など熱を逃がしやすい素材」のカバーにすることをオススメします。

 フワフワの毛皮のようなカバーをスマホに着せてしまうと放熱できなくなるので、処理が重くなる時間が増えたり、電池の寿命が短くなったり、最悪の場合には突然電源が切れるといったことが起きかねないのです。

2022.07.09(土)
文=藤山 哲人