●これからも、ご縁を大切にしていきたい
――この作品は自身にとって、どんな一作となったと思われますか?
この映画の三人は、孤島でただならぬことをしていますが、なぜか、普通の暮らしをする自分たちと大差ないように感じます。不安定、不穏な今の時代は理解し難いものだと思いますが、その時代に暮らす自分たち一人一人が理解し難い人物なわけではない、ということと同じなんじゃないかな、と。一人一人の中で起こってしまっている事を丁寧に映し取っていく城定監督に、見るべきは「状況」ではなく「人」なんだな、と教えてもらった思いです。
――今後、五十代に向けての展望や希望について教えてください。
これまで色々な人に出会い、助けられて、映画に影響を受けて、今の自分が形作られたと思います。感謝しかありません。これからも出会った映画から、自分の忘れていたものを思い出せるようなことがあれば嬉しいなと思います。これからもご縁を大切に、ひとつひとつ真摯に作品に臨んでいきたいです。
宇野祥平(うの・しょうへい)
1978年2月11日生まれ。大阪府出身。2000年に『絵里に首ったけ』俳優デビューし、09年の『オカルト』で初主演。名バイプレイヤーとして、数々の作品に出演。本年は『前科者』『とんび』『夜を走る』に出演。今後も『アキラとあきら』(2022年8月26日[金]公開)、『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』(8月27日[土]公開)、『さかなのこ』(9月1日[木]公開)ほか、公開作が控える。現在、テレビ東京水ドラ25「ザ・タクシー飯店」が放送中。
『ビリーバーズ』
互いをオペレーター(磯村勇斗)、副議長(北村優衣)、議長(宇野祥平)と呼び合い、無人島で共同生活を送る3人。宗教的な団体・ニコニコ人生センターに所属する彼らは、俗世の汚れを浄化し、安住の地を目指すための修業を行っていた。だが、そんな彼らの日常は、些細な問題から綻びを見せ始め、互いの本能と欲望が暴き出されていく。
©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会
2022年7月8日(金)より、テアトル新宿ほか全国順次公開
https://believers-movie2022.com/
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2022.07.08(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖