ドラマ『しあわせは食べて寝て待て』の主人公・麦巻さとこは、一生付き合っていく持病を抱え、自信を失い、人から向けられた好意や褒め言葉も素直に受け取れずにいます。
そんなさとこを演じた桜井ユキさんにも、かつて自分に自信がなく、褒められても言葉の裏を読んでしまっていた時期があったといいます。そこから、どう自分自身を受け入れられるようになったのでしょうか。
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「引き算」の演技で構築した、等身大のさとこの魅力
――桜井さんはこれまで、強さや鋭さを感じさせる女性を多く演じてこられた印象があります。麦巻さとこを演じる難しさや不安はありましたか?
おっしゃる通り、これまでは強さを持った女性を演じる機会が多かったので、最初にさとこ役のお話をいただいた時は、「なぜ私にオファーしてくださったんだろう」と意外に感じました。
原作ファンの方も多い作品ですし、どうやって向き合えばいいのか、最初はとても緊張しました。
――役作りではどのようなことを意識されましたか?
まず、自分が普段しているお芝居を一度すべてなくそうと考えました。目線一つを含め、できる限り引き算して、一度フラットな状態に戻す。そこから、さとこという人物を新しく構築していく作業をしました。何かを足すというより、引いていくことのほうが多い役作りでした。
監督やプロデューサーとも、よく話し合いました。さとこは、一生付き合っていく持病を抱えていますが、悲劇のヒロインではありません。持病があるからといって、決して「かわいそうな人」でもない。
実際に同じ病気を抱える方のお話を聞く機会もありましたが、ドラマを見た当事者の方に、「やっぱり自分たちはかわいそうなんだ」とは微塵も思ってほしくなかったんです。ですから、病気に焦点を当てるのではなく、さとこが日々感じる小さな喜びや葛藤を表現したいと思いました。それは、病気があってもなくても、誰もが抱えているものだと思います。
