美しいワイナリーレストランで優雅な昼下がり
上質なワインで世界の美食家を魅了するオーストラリア。メルボルン市街から車で約1時間のヤラ・バレーは、1838年にぶどう栽培が始まった、ビクトリア州で最も歴史あるワイン産地です。
現在、80以上の生産者さんが個性を競い、自慢のワインとともにおいしい料理を味わえる、レストラン併設のワイナリーがあるのもうれしいところ。
なかでも「イエリング・ステーション」は、ヤラ・バレーのワイン造りの歴史を体現する名門。1889年にはパリ万博でグランプリも獲得しています。
その後、さまざまな苦難の時期が続きますが、2000年代に入り、再び国際的に高い評価を得るワイナリーとなり、注目を集めています。
昔ながらの樽発酵・樽熟成を守りながら、エアバッグを用いた圧搾を導入するなど、新たな技術も積極的に融合。多彩なラインナップでワイン好きを魅了しています。
ワイナリー訪問の楽しみといえば、テイスティング。アートギャラリーも兼ねた空間で気になるアイテムを飲み比べれば、それぞれの個性が “一目” ならぬ、“一口瞭然” です。
さて、テイスティングを楽しんだあとはレストランへ。全面ガラス張りの空間は、自然光に包まれて開放感いっぱい。気分爽快です。
メニューはコースのみ。前菜・メインから好きなものを選んでオーダーできます。ヤラ・バレーの小さな生産者さんによる “地産” の恵みを使った一皿を、おすすめワインともに「Bon Appétit!」。
お料理はいずれもエレガントなスタイル。上質なワインとの相乗効果で、口にするたび、心がぱっと華やぎます。
また、ワインと美食を心おきなく堪能したい人は、隣接するホテル「シャトー・イエリング」に宿泊がおすすめ。
ワイナリーの長い歴史を見守ってきた瀟洒な館を改装したブティックホテルで、客室は全室スイートで32室。優雅な滞在を満喫できます。
館内の「エレノアズ・レストラン」も食通たちの間で高評価。今度はこちらでも食事してみたい!
2022.06.17(金)
文=矢野詔次郎
写真=鈴木七絵
協力=オーストラリア政府観光局