連続テレビ小説「ちむどんどん」(NHK)がたいへんなことになっている。月~金8時15分、地上波での放送が終わると、Twitterにたくさんの感想が投稿されるのだが、公式ハッシュタグである「#ちむどんどん」よりも批判タグである「#ちむどんどん反省会」の投稿数が多く、Twitterのトレンドにも後者の方がよく入る。こんなことは初めてではないだろうか。

 視聴者がセットで楽しんでいる生放送の「あさイチ」(NHK)の“朝ドラ受け”も日に日に苦しそうになっていき、ついに5月19日の放送では司会の3人のコメントはなく、「ニーニーのことは置いといて…」という批判をかわすようなテロップだけが出た。

「ニーニーがクズすぎて見ていられない」

 ニーニーというのは、ヒロインである比嘉家の次女・暢子(黒島結菜)の兄、賢秀(けんしゅう/竜星涼)のこと。賢秀には暢子のほかに、長女・良子(川口春奈)、三女・歌子(上白石萌歌)という妹もいる。父の賢三(大森南朋)亡き後、母の優子(仲間由紀恵)は苦労しっぱなしなのだが、賢秀は定職に就かないわ、地元で暴力事件を起こすわ、1972年、沖縄が日本に返還されるときには為替詐欺に見事引っかかるわと、褒めどころの見つからないドラ息子。

 反省会タグでは「ニーニーがクズすぎて見ていられない」「他人に迷惑をかけても謝ることのできない幼稚な男」「大人になっても(宇宙の力を使えるという)スーパーバンドをしているなんて、ありえん」などと集中砲火を浴びている。

 第5週で詐欺にあい、約1000ドルの借金を作って追い詰められたニーニーだが、東京でプロボクサーとなって一発逆転。ファイトマネー1666ドル分を実家に送金し借金を完済した。ところが、第6週、兄を頼って上京した暢子が知ったのは、賢秀が実家に送った金すらボクシングジムの仲間に借りたものだったという驚愕の事実。

 さらには暢子の下宿先である横浜市鶴見の飲食店でも勘定を踏み倒したことが判明し、暢子と再会した翌朝には妹の財布からお金を抜いて競馬場へ。ニーニーはまだまだ炎上案件になりそうだ。

2022.05.25(水)
文=小田 慶子