アウトドアブランドのLOGOSが満を持して送る『外ごはん本』! 7組の料理人がLOGOSのギアを使ってアウトドアレシピを披露する本書から、とっておきのレシピをご紹介。合言葉は「失敗も思い出」です。
肉と野菜の水分だけで炊き上げる「骨付きチキンビリヤニ」
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重ねたスキレットの密閉性を生かしたビリヤニ。
水は使わず、鶏肉に三分炊きの米、野菜を交互に重ね合わせ、その具材の水分だけで炊き上げる。
さぁ、蓋を開けた瞬間の感動はいかに……!?
使用ギアは「合体できる深型スキレット M」「合体できるスキレット M」、レシピ考案は「Maruta」石松一樹さんです。
◆材料
・鶏もも肉(骨付き)……4本
・白ワイン……100ml
・にんにく(みじん切り)……20g
・生姜(みじん切り)……10g
・赤唐辛子……1本
・コリアンダーシード……2g
・赤玉ねぎ(薄切り)……2個
・米油……適量
・米(長粒米)……450g
・パクチー(ざく切り)……20g
・ミント……10g
・バナナの葉(キャベツでもOK)……1枚
・塩……大さじ1
・強力粉……100g
・水……50ml
◆つくり方
事前の準備。
[鶏肉を仕込む] ボウルに、骨付きの鶏もも肉、白ワイン、にんにく、生姜、赤唐辛子、コリアンダーシードを入れ、約12時間置く。
[赤玉ねぎのフライをつくる] 赤玉ねぎをカリカリになるまで米油で揚げる。赤玉ねぎの風味のついた油は後で使うため、取っておく。
[米をゆでる] 深型スキレットにたっぷりの水(分量外)を入れ、ピラミッドTAKIBIで湯を沸騰させる。米を入れて3分ほどゆで、ザルに上げる。
ビリヤニの具を重ねる。
(1) 深型スキレットにバナナの葉を敷く。
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(2) 鶏肉の皮目を下にして2枚並べる。その上に、全体を覆うくらいの量の米をのせる。
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(3) 赤玉ねぎのフライひとつかみを全体に広げてのせ、赤玉ねぎの油を大さじ2を回しかけ、パクチー10gを散らす。
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(4) 鶏もも肉2枚、残りの米を入れ、赤玉ねぎのフライ、塩、パクチー10g、ミント、赤玉ねぎのオイルの順に重ねていく。赤玉ねぎのフライは飾りではなく、甘味を生む味わいの要素として必ず用意したい食材。市販のフライドオニオンでも代用OK。その際、赤玉ねぎのオイルはオリーブオイルで代用する。
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スキレットを密閉する。
(1) スキレットを密閉するためのパンをつくる。強力粉に水を加えてこねる。生地は、耳たぶくらいの硬さが目安。
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(2) ビリヤニの具材が入った深型スキレットの縁にパンを巻く。蓋代わりにスキレットMをかぶせ、ぎゅっと押さえて二つのスキレットを合体させる。はみ出ているパンをスキレットMのほうにものばし、密閉する。
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火にかける。
(1) 煉瓦や岩、石など重石になるものをスキレットにのせ、30~40分、強火にかける。炭に直接スキレットをのせると、熱がより伝わってこんがりと仕上がる。
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(2) 火から外し、そのまま15分ほど蒸らす。
(3) パンをナイフで剥がし、蓋のスキレットMを開ける。
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仕上げる。
(1) 大皿に深型スキレットをひっくり返す。
(2) バナナの葉を米から外し、塩で味を調えて完成。
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ビリヤニは、レストランでも提供している料理の一つ。
「中が一切見えないので、お客様の前で開けるときは、毎回緊張します」と石松シェフが語るとおり、火にかけたら蓋をしたまま。スキレットMを蓋にして密閉性を高めて空気の対流を起こし、さらに小麦粉と水のパンで密閉して、極力水分を逃さない状態をキープする。
多少、ご飯が柔らかくても硬くてもご愛嬌。具材の旨味、赤玉ねぎのフライの香ばしさが凝縮した美味は格別なのだから。
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●使用したのは……
「合体できる深型スキレット M」「合体できるスキレット M」
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蓄熱性に優れた鋳鉄製スキレットは、じんわりと温まるのでムラなく熱が伝わり、調理後の温かさもキープ。形状の異なる二つを組み合わせれば、一つが蓋替わりとなり、圧力鍋のように硬い食材を柔らかくする効果も。取っ手は必要に応じて取り外しが可能で、KAMADOとの相性もよし。自宅のガスこんろやオーブンでも使用できる。
●教えてくれたのは……
「Maruta」石松一樹さん
1988年生まれ。「カーエム」「エディション コウジ シモムラ」など都内有数のフランス料理店で研鑽を積み、2015年渡豪。世界的に高い評価を受けるメルボルン郊外のモダンオーストラリアンレストラン「ブラエ」で働く。Farm to Kitchenの「食材を巡る料理の在り方」に感銘を受ける。2018年、薪火料理を手がける「Maruta」のシェフに就任。
Maruta
所在地 東京都調布市深大寺北町1-20-1
電話番号 042-444-3511
営業時間 11:30~ 日没(季節により変動)~
定休日 月~金曜(土日のみ営業)
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外ごはん本
定価 1980円(税込)
プレジデント社
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『外ごはん本』厳選レシピ
2022.05.16(月)
文=沼由美子
写真=阪本 勇
イラスト=朝野ペコ