今コレクションの演出に際し、デザイナーのジョルジオ・アルマーニが選んだのは“無音でのショーの開催”でした。驚くことに、それはショー開始の数時間前、という異例の決断だったのです。

 「ウクライナの悲劇に巻き込まれた人々への気持ちを表し、今回のショーでは、あえて音楽を使わないという決断をしました。バックステージでもランウェイでも、沈黙はどんな音楽よりも大きく、インパクトがあったと思っています」。彼はそうコメントしています。

 常日頃から、あらゆる社会問題について関心を持つようメッセージを届けているジョルジオ・アルマーニですが、たった今、世界で、むしろ身近で起こっている問題について、自分にできることは何かと考えた末にとった行動でした。

 今回の彼のアクションはファッション史上に残り、また多くのデザイナーたち、そしてこのニュースを知った人々に影響を与えたことでしょう。

ジョルジオ・アルマーニ 2022-23 Fall & Winterコレクション「ウクライナへの想いを込めて、異例の無音ショーを開催」

コレクションのテーマは「Signs of Light - 光のサイン - 」

 静けさの中発表されたコレクションのテーマは「Signs of Light - 光のサイン - 」。

 ジョルジオ・アルマーニが自身のスタイルを象徴するサインとはどういうものなのかを再考したコレクションです。

 登場するルックは、流れるような縦長のシルエットで表現され、歩くたび、柔らかさを感じます。そして、正確な構造と、余分なものが一切ないエレガンスさ。

 例えるなら、アーティストが、目の前にある現実を想像のフィルターを通して描く肖像画のように、その人に焦点を当て、個性を引き立てるレパートリーが表現されています。

 銀色の光や鮮やかな色で輝きに満ち、まろやかな幾何学模様と抽象的な装飾が布の上で踊ります。

 確固たる姿を描くジャケットとパンツ、動きを添えるフェイクファーのタッチや、シルクの反射で覆うベルベット……。

 デイウェアとしてのドレス、イブニングウェア、ベルベットのバッグ、ストッキングのように高さのあるブーツに至るまで、支配しているのは「光」です。

 コレクション会場には、アン・ハサウェイ、アダム・シュルマン夫妻など、多くのセレブリティ、文化人も来場しました。

●GIORGIO ARMANI 2022/23FWコレクション特設ページはこちら

https://www.armani.com/ja-jp/experience/giorgio-armani/fashion-show-fall-winter

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ジョルジオ アルマーニ ジャパン

https://www.armani.com/

2022.03.05(土)
文=CREA編集部