バンズのないハンバーガー!?

 しかしこれでは、通常のモスバーガー「じゃない方」感がまだありません。

 ということで、バンズも「じゃない方」に変えちゃってるメニューがこちら。

「モスの菜摘(なつみ)ソイモス野菜」。もはや名前にバーガーすら入っていません。

 通常のバンズの代わりにレタス、そしてお肉の代わりにソイパティ。

 袋ごと手に持って眺めてみると、ハンバーガーと言われればハンバーガーに見えるし、ハンバーガーじゃないと言われればもはやハンバーガーじゃない……。

 脳が軽く混乱してきますが、見るからにヘルシーなのは確か。

 とりあえず一口食べてみましょう。

 

シャキシャキのレタスがたまらない!

 うん、美味い!!

 内容的に、ただのサラダと同じように思えますが、食べると紛れもなくバーガーなのです。

 その秘密はレタス。レタスを幾重にも重ねていることで、噛むとシャキっとした歯応えがあり、その中からパティやソースの旨味が出てくる感じは、まさにバーガー。

 バンズも肉も使ってないのに、やはりバーガーに行き着くところにモスバーガーの執念を感じます。

 これぞ、1972年に板橋区成増の1店舗から始めた先代櫻田慧会長のバーガー愛を感じる一品です!

緑色のバンズと特製テリマヨソース

 しかし、我々も先代会長の意思を引き継いで(全く頼まれていないのですが)、さらなる「じゃない方」を極めないといけません。

 ということで、さらなる進化系がお次。

「グリーンバーガー<テリヤキ>」。

 バンズは緑色のベジタブルバンズ! こちらは主要原材料に動物性素材を使わず、もちろんパティもソイパティ、さらに仏教における五葷(ごくん)も抜いた神聖なバーガーなのです。

 ちなみに五葷とは臭気の強い5種の野菜(ねぎ、らっきょう、ニラ、にんにく、たまねぎ)のこと。これならお寺を逃げ出したお坊さんが食べに来ても安心です。

 最後までべちゃっとしないようにと、ソースが別添えで少しずつかけられるのも嬉しいところ。

2022.02.11(金)
文=小宮山 雄飛