日本全国、その土地だからこそ生まれる工芸品。
古くから愛されてきた工芸品は不思議とその見た目も愛らしいもの。お土産にもぴったりです。CREA編集部員が見つけてきたその土地ならではのお土産を紹介します。
福島県会津若松市「起き上がり小法師」
まるで稚児のようなかわいらしさ。指で押し倒してもあら不思議、ヒョッコリ起き上がる「起き上がり小法師」は生まれ故郷である福島県会津地方のみならず、全国各地で愛されてきました。
倒しても倒してもクルンクルンと起き上がる秘密はお尻の重り。中心の下部に重しを据え、しっかりと重心がある構造が「七転八起」を実現しています。
この伝統工芸品が生まれたのは400年ほど前、江戸時代初期のことと言われています。時の会津藩主・蒲生氏郷が冬の間の内職として藩士たちに作らせ、販売させたのが始まりだそう。
転んでも転んでも起き上がる姿は苦難に負けない様子を表すとして、「起き上がり小法師」は古くから縁起物とされてきました。
養蚕が盛んな東北地方では「起き姫」と呼ばれることもあります。蚕が脱皮することを「起きる」ということから、養蚕のお守りとしても愛されてきたのです。
2022.02.08(火)
文=CREA編集部
写真=山元茂樹