素敵な出会い方だ。ジンサポさんによれば、デビュー当初は韓国よりも日本のファンのほうが多かったという。

「韓国で音楽番組の観覧に行って、現地の人に防弾少年団のファンだと言っても『誰?』って訊かれたんですよ。でも、日本のイベントは2013年12月に開かれた最初のショーケースから満席で。100人分の名義を借りて応募したのに抽選に外れた知人もいたくらいでした。初めて見た彼らの印象は、とにかく一生懸命で必死、そしてキラキラしていました」

 K-POPには新人アイドルにファンが食事を提供するなど、さまざまな形でサポートする文化がある。日本ARMYの間でも、現場やSNSで交流するうちにサポートアカウントが生まれた。

「例えばあるイベントでバルーンアートのお祝いを出したことがありました。各メンバーのサポートアカウントが出しているなか、ちょうどJINサポートがいなくなってしまった時期があって。JINだけバルーンがないのは寂しいので、私が自腹で出しました(笑)。そうしたら、他のJINペン(JINファン)の方々が写真を撮ったり、すごく喜んでくれたんですね。

 その出来事が励みになって、たくさん同じ気持ちの人が集まったらいろんなことができるかなと思って、サポートアカウントを運営するようになりました」

 前述したとおり、音楽的な評価は低くなかったものの、BTSはなかなか韓国で1位を獲れなかった。

1位獲得のために日韓のファンが協力

「『Danger』が期待しながらもあと少しで1位には届かなかったので、『I NEED U』は本気で1位を獲るつもりで作った曲だと思います。

 韓国のARMYもどうしても獲らせたいということで、人数が多かった日本のARMYに『協力してください』というお願いがきたんです。だからストリーミングや投票など、できるかぎりのことをしました。

 1位を獲ったあとのサイン会でRMが日本のARMYにも感謝の言葉を伝えてくれたのは嬉しかったですね」

2021.12.12(日)
文=紫野 あみ