婚姻関係を結ばない事実婚のリアル
日本は法律婚を選ぶ夫婦が多いですが、婚姻関係を結ばない事実婚に前向きな意見を持つ人がほとんどです。
近年は多様な生き方が進んでおり、「お互いに納得していればいい」「夫婦の形は人それぞれ」など個人の選択を尊重する考え方が浸透しているよう。
ただし事実婚は良いことばかりではありません。ここからは、事実婚のリアルに迫ります。
◆共同親権が持てなくなる
「父親と子どもの姓が異なるので、周囲から可哀想と言われた」
事実婚で子どもを出産した場合、子に対する共同親権は持てません。今の法律では、父母のどちらか一方にしか親権が与えられていないのです。子どもが産まれると自動的に母親に親権が与えられ、父親は認知する形で手続きを行わなければいけません。
父親に親権を与えたい場合は、家庭裁判所で親権の変更手続きを行う必要があります。親権の有無に限らず、ふたりが子どもにとって母親と父親であることに違いはありません。ただ、子どもを持ちたいなら共同親権を持てないことを事前に話し合っておくのがいいかもしれませんね。
◆扶養手当が支給されない
「本来受け取れるはずの扶養手当が貰えないのは結構つらい」
会社によっては、福利厚生に扶養手当を支給するところもあります。扶養手当は家族を扶養する従業員に対して支給される手当ですが、事実婚の場合は法律上の夫婦ではないため貰えないのです。
扶養手当が月に1万円支給される会社なら、年間で考えると12万円も損をする計算になります。会社の福利厚生に扶養手当がある場合は、結婚する際に籍を入れるかどうか考慮すべきポイントとなりそうですね
◆家族関係の証明に手間がかかる
「世間から家族として認められていないような気がして寂しくなる」
事実婚の場合、法律婚のように公的に家族関係を証明できるものがありません。事実婚で家族であることを証明するには、住民票や親族からの証言が必要になります。そのため、賃貸契約や保険契約で家族関係を証明するのに手間がかかることがあるのです。
また、どちらかが怪我や手術で入院した場合、家族として同意書をサインできません。家族として扱ってもらえないことにもどかしさを感じる瞬間が多くあるようです。
◆両親の理解を得づらい
「親から現時点で理解できないし、今後も理解できそうにないと言われた」
近年は事実婚に対して前向きな意見を持つ人が多いですが、両親の世代からは理解を得にくいこともあるようです。結婚報告で事実婚を選んだことを両親に話したとき、「籍を入れないのは無責任だ!」と真っ向から反対されることも多いよう。
ただ、両親が反対するのは娘のことを思ってのことです。きちんと説明して理解してもらえるように、両親とじっくり話をする時間を設けることが必要ですね。
◆配偶者控除が適用されない
「法律婚ではなく事実婚の選択をしたけど、経済的な不利益が多すぎる」
事実婚は、配偶者控除が適用されません。籍を入れていないだけなのに、支払う税金は法律婚よりも高くなるのです。
また医療費控除なども適用されないので、扶養家族の医療費も対象にはなりません。法律婚であれば受けられる控除も事実婚では受けられなくなるので、この点もしっかり考慮する必要があります。
事実婚のリアルを踏まえて、二人らしい選択を!
近年は多様な生き方が進んでおり、事実婚に前向きな意見を持つ人がほとんどです。また事実婚を選択することで複雑な手続きが不要だったり、対等な関係を構築できたりなど多くのメリットがあります。
ただ、事実婚は良いことばかりではありません。ここでご紹介した事実婚のリアルを踏まえて、後悔のない二人らしい選択をしましょう。
【今回のポイント】
・事実婚はメリットが多くある一方、検討すべきデメリットもある
・世間的には、事実婚に対して前向きな意見が多くなっている
【30代】婚活&恋愛心理コラム
2021.11.29(月)
文=bridge
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