忙しい毎日を過ごしていると、ついつい後回しになりがちな「防災」。でも、災害はいつ、どこで起こるか、誰にもわかりません。
もしかしたら、オフィスにいるときや通勤中に被災してしまう可能性も……。
他人事ではなく自分事として、“ポジティブ”なオフィス防災、始めませんか?
「地震10秒診断」というサイトを知っていますか?
「地震10秒診断」は自分が住んでいる街の名を打ち込むだけで、「震度6強の地震が30年以内に起こる確率は32%」「停電日数は5日」といったように、地震発生予測とライフラインの状況を診断してくれるサイトです。
もちろん、震災が起こるのは在宅時とはかぎりません。自宅だけでなく、勤務先の住所でも、ぜひ検索してみてください。
もしオフィスで震災にあって帰れなくなってしまったら? トイレは使えるの? 備蓄はある? 家族は大丈夫?
オフィスでの被災に備えるには何ができるのか、国際災害レスキューナースとして活躍する辻直美さんに伺いました。
まずはオフィスを見渡して! 意識すればわかることがある
「明日オフィスに着いたら、まずデスクから360°グルッと見渡してみてください。自分の目で見てヤバい!と思ったところ、そこから防災は始まります。あなたの勘は絶対正しい!」
それが、辻さんの最初のアドバイス。『あそこは危なそうだな……』と感じた場所を意識することが、防災の第一歩です。例えば、高いところにあって落ちてきそうなものは、まず床に下ろしましょう。
「とりあえず数日そのままにしておいて、やっぱり邪魔だと思ったら片付ければいいんですよ。いきなり全部やろうとするから、面倒なんです」
360°のオフィスチェックにはもう一つ目的が。それは、オフィスで一番安全そうな場所を見つけておくこと。
「突然災害が起こったら、どこに逃げればいいか、誰だってとっさに判断できません。安全な避難場所を事前に決めておくことは、とても大切な防災対策。何かあったらまずそこへ避難すると決め、その動線上で邪魔になるもの、危険なものは移動させておきましょう」
2021.09.29(水)
取材・文=張替裕子(giraffe)