世界中を熱狂させたエポックメイキングなドラマ「SEX AND THE CITY(SATC)」が、遂に新作ドラマとなって帰ってくる!

 30代だった彼女たちも、今では50代。でも相変わらずおしゃれで楽しそう! 再ブーム到来直前の今、当時の熱狂を振り返ってみよう。


人生の機微とリアルと名言 そしてエールが詰まってる!

 ミレニアムを挟んで世界中の女性を熱狂させた、「SATC」の新作ドラマのカウントダウンが始まった。早くもウキウキソワソワだが、何がそんなに女性たちを魅了して止まなかったのだろう。

 “NYで暮らす30代独身女性が人生を謳歌する”姿は、当初大きな驚きをもって迎えられた。とりわけセックスにまつわる赤裸々トークに、男性&オーバー50世代は眉をひそめた。それに反し、ここ日本でも20~30代を中心とした女性たちが“こんな風に堂々と自分の人生を楽しみたい”と大熱狂!

 結婚がゴールではなくておしゃれも恋も仕事もセックスも、もっと欲張って楽しみたいという願望を、まさに「SATC」が全肯定してくれた。人生自体も多種多様。同調圧力への反骨を胸に抱いた、それは革命に立ち上がる熱狂だったとも言える。

 「SATC」発のブームやライフスタイルの変化も数知れない。今は当たり前の“頑張った自分にご褒美”、女子会を生んだ“週末のブランチ会”、そこでのセックストークも、すべて強烈な共感と憧れを呼んだ。

 マノロ・ブラニクの靴、マグノリアベーカリーのカップケーキをはじめ、彼女たちが愛するアイテムが注目を集め、続々と世界を席巻。同時に世界中からNYにファンが駆けつけ、聖地巡礼ブームに火をつけるなど社会現象に発展した。

 ファッションもインテリアもすべてに憧れたが、何といっても私たちを魅了したのは、女の友情はもろいとされてきた男社会の思い込みに対し、ギャフンと言わせたこと。女同士の厚い友情に、共感と喝采の嵐が沸き起こった。

 彼女たちはスーパーウーマンではなく、イタいほどキョドったり傷ついたりするからこそ、より親密で大切な本当の友達のように感じ、リアルな本音に痛いところを突かれもした。

 シーズン6まで作られたドラマは、2本の映画まで生み、永遠の名作ドラマに殿堂入り。

 そして今、50代になった彼女たちは、この時代をどう生きているのだろう。もう、とても待ちきれない!

キャリー
(サラ・ジェシカ・パーカー)

新聞にセックスコラムの連載をもつ、売れっ子の辛口コラムニスト。かなりの恋愛遍歴がある恋多き女で、コラムのネタも多くは自分の経験が基になっている。ファッションにも独自のセンスと哲学があり、ときに生活を逼迫するほどのファッション中毒者でもある。

ミランダ
(シンシア・ニクソン)

普段はカチッとキャリアスーツ姿が多いやり手弁護士。くっついたり離れたりを繰り返した年下のバーテンダーとの間に子どもができ、結婚後マンハッタンからブルックリンに転居。シニカルな口調はときに意地悪いが、情に厚く友情にも固い、信頼のおける女。

サマンサ
(キム・キャトラル)

PR会社を経営。セクシーで派手なファッションと、奔放なセックスを追求する快楽主義者。歯に衣着せぬ物言いで、ときに4人の間に波風を立てるが竹を割ったような性格で頼りになる最年長の姉御肌。「愛してるわ。でも自分の方がもっと好き」など名言も多い。

シャーロット
(クリスティン・デイヴィス)

アートディーラーとして画廊に勤めている、コンサバなお嬢様。理想の相手と結婚、不妊に悩んだ末に離婚。その後、理想とは遠いが恋に落ちた禿頭の弁護士と結婚、中国から養女をもらう。さらに待望のご懐妊。真面目ゆえにときにズレるが、基本いつでも一生懸命。

2021.10.16(土)
Text=Chizuko Orita

CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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