そして番組第2回まででもっとも注目された存在が、17歳の江崎ひかるだ。エイベックス・アーティストアカデミーに所属する彼女は、韓国と中国の精鋭を退けてトップ9の1位となった。シグナル曲のMVでもセンターに選ばれており、いまのところ絶賛され続けている。

 そのパフォーマンスは非常に安定しており、1位となるのもうなずける水準だ。彼女の特徴は、ダンスとラップに長けているところだ。体幹がしっかりしていて動きにブレがなく、リズム感も秀逸だ(※動画のグレータンクトップの衣装)。


 その存在感は、他の日本勢とは大きく異なる。日本のアイドルグループの“匂い”がまったく感じられないからだ。おそらくそれはK-POPの浸透によるものだ。KARAと少女時代が日本デビューした年の小学1年生が、11年後の現在は17歳になっている。

 世界共通言語としてのK-POP──江崎ひかるの卓越した能力はそれを強く感じさせた。

後編「ハロプロ、48グループの不在…日中韓オーディション番組でわかった「アイドル戦国時代」の儚さ《『ガルプラ』でも韓国勢リード》」に続く

ハロプロ、48グループの不在…日中韓オーディション番組でわかった「アイドル戦国時代」の儚さ《『ガルプラ』でも韓国勢リード》 へ続く

2021.08.27(金)
文=松谷 創一郎