料理だけではない、レストランの未来への挑戦
「おでん屋 平ちゃん」では、今まで体験したことのない、新しいおでんとシャンパーニュの組み合わせに出合えるが、実はほかにも、さまざまな取り組みを行っている。
「レストランにお客様がいらっしゃれない時期があっても、仕入れを止めて生産者さんにご迷惑はかけられない。その想いで、店の味をおうちでも楽しんでもらえる『ラペ ボックス』を2000食以上も販売しました。
今回の『おでん屋 平ちゃん』のオープンでも、また少しでも仕入れを増やせて、生産者さんを応援できる。『へ~、おでんになるの?』って彼らにも興味を持ってもらえるし、カウンターでの会話からお客様に生産者さんのことをお話しできるのも楽しみです。
食材だけでなく、器もそうです。新しい店ができれば、器屋さんを元気づけることができます。今回は“モダンおでん”という新しいジャンルであり、『ラペ』のイメージも残した器を有田焼のカマチ陶舗さんにお願いしました。和皿だけれど和過ぎない、インパクトのあるデザインの器選びは楽しかったですね」(松本一平シェフ)
また、今回はフードロスや環境問題への取り組みにも積極的だ。
「“フードロス”という言葉はあちこちで聞かれるようになりましたが、レストランでは多くの廃棄が出ているのが実情です。そのサイクルをいったん考え直し、出汁を引いたあとのかつおぶしをふりかけにするなど、食材の廃棄を減らす努力をしています。
魚介類は『サスティナブルシーフード』として、CoC認証を受けたものを使います。CoC認証とは、漁獲高や環境に配慮し、流通までのトレーサビリティを明らかにした魚介類だけに与えられるもの。おいしく食べてもらい、そのような取り組みがあることが話題に挙がって、意識してもらえるようになると嬉しいですね」(松本シェフ)
過渡期を迎える飲食業界で、まさにレストランの未来、食べる楽しみをいつまでも続けるためにある取り組み。それを笑顔で共有できるイノベーティブなおでん屋さんはとても楽しい。
お店を取り仕切るのは右腕・根内大和シェフ
今回、「おでん屋 平ちゃん」の厨房を取り仕切るのは、根内大和(こんないやまと)シェフ。
根内シェフは、「ラペ」のオープニングスタッフとして松本シェフを支えてきた。フランス料理の修業を積んできたものの、日本料理店で働いた経験もあり、彼が作るまかないの和食が感動するほどおいしかった、と松本シェフも舌を巻く。
「『おでん屋 平ちゃん』は、自分の実家がおでん屋だったからはじめたプロジェクトですが、和食をきちんと学んだ根内がいなければ成り立たなかったし、始めなかったと思います。
また、シェフだけではなく、『ラペ』にもスタッフが増え、幅広く経験を積んでほしいという考えもあり、こちらでは若いメンバーで張り切ってもらっているんです」(松本シェフ)
フランス料理とおでんの融合、と一口に言っても、その想いはとても深い。スタッフや生産者、そして食や環境まで。「おでん屋 平ちゃん」にはたくさんの未来が詰まっている。
◆おでん屋 平ちゃん
所在地 東京都中央区日本橋室町1-12-10 J1B.L.D.G B1
電話番号 050-3623-1723
営業時間 11:30~15:00(L.O.13:00)、18:00~22:00(L.O.20:30)
定休日 木曜
ランチコース 4,950円、ディナーコース 9,900円(ともに税込、サービス料別)
※新型コロナウイルスの感染拡大により、営業時間が変更となる場合がございます。最新の情報は店舗までご確認ください。
◆メゾン マムについて
1827年、ドイツのワイン商、マム一族によって創業された。日本へは1877年から輸出が始まっており、日本皇室御用達のシャンパーニュにも選ばれている。2017年にはボトルに赤いリボンを直接彫り込む革新的なデザインの「マム グラン コルドン」をローンチ。
お問い合わせ ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
※飲酒は20歳を過ぎてから。
※飲酒運転は法律で禁止されています。
※妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は適量を。
2021.10.01(金)
文=CREA編集部