プロットとネームはほどよい雑音がないと考えられないので、以前はよく深夜のファミレスに行って描いていました。今はコロナで行けないので、昼間に近所のカフェで描いたりしています。

――2巻9話で小林先生が作った3年生への記念品も、強烈なインパクトがありました。どうやってあの記念品にあったワードにたどり着いたのですか。

和山 悶々と考えた末に出てきたアイデアから、何通りかネームを考え、一番おかしいのを選びました。でも何がウケるかはまったくわからないので、毎回反響にドキドキしています。

 

大きな話題となった星先生の結婚

――6話に登場する「幸運を呼ぶ『クワガタボーイ』のキラステッカー」は、公式ツイッターでも「実物」が投稿され、4.6万いいねがつきました。これはご自分でもウケるだろうと確信がありましたか。

和山 いや、これもこんなにウケるとは思っていませんでした。逆に、自分がすごく自信があるものはそれほどウケなかったりするので、人それぞれ笑いのツボって違うんだなと感じています。ちなみに、星先生がクワガタを載せている、肩においたレースのハンカチには「女性教師から借りた」という裏設定があるんです。誰も気づかないような、でも一人くらい気づいて指摘されるとうれしくなるような細かい部分を描き込むのが好きなので、つい描いてしまいます。

 2巻では、先生方の「結婚」にまつわるエピソードも描いてみました。恋愛を描くのはやっぱりまだ苦手ですが、多感な時期の女子高生を描いている以上、恋愛にまつわる話なども少しずつ挑戦していこうかなと。

――『FEEL YOUNG6月号』では、星先生の結婚についても明かされ、大きな話題となりました。星先生の恋愛や結婚は、読者も一番気になるところなのではないかと思いますが、今後、星先生に限らず、ほかの先生方の恋愛や私生活についても少しずつ明かされていくのでしょうか。

和山 星先生のような私生活が謎な人は、生徒にとっても読者にとっても芸能人のような感覚になっているのかなと思っていて、頂いたお手紙でも驚いていた方が沢山いたのですが、これからも恋愛面に限らずキャラクターたちのいろいろな側面を描いていけたらと思っています。

【マンガ】『女の園の星』 学級日誌の備考欄で始まった絵しりとり… 「ほ」で始まって「い」で終わる答えとは? へ続く

2021.07.30(金)
取材・構成:相澤洋美
漫画=和山やま