和山 星先生は、単純に理想を詰め込んだ感じです。生徒に対しての言葉遣いもていねいで、どの生徒に対しても接し方に差がないように意識しています。小林先生は、すごく動かしやすいので、描いていて楽しいです。「キャラが変わってきたかな」と自分でも思うことはあるんですが、連載を重ねることで「知りあってきた」時間が積み重なってきたので、最初とは違う側面を見せてもらえるようになった、というイメージです。これは、小林先生に限ったことではなく、ほかの生徒や先生方も同じだと思っています。
――小林先生と星先生は、仲がいいんですか。星先生と小林先生の意外な一面も2巻では描かれていますが、和山さんが好きだとおっしゃるBLを意識されている部分もありますか。
和山 星先生にとって小林先生は、気を使わなくていい相手なのかなと思います。前著の『夢中さ、きみに。』や『カラオケ行こ!』では、少しBLを意識して描いた部分はありますが、『女の園の星』ではありません。でも、見る人によってはそういう楽しみ方もできたりすると思うので、読み方は読者に託そうと思います。
――よく寝る香川さんや、漫画家志望の松岡さん、星先生の観察を日課にしている鳥井さんなど、生徒たちにもモデルがいるのですか。普段から女子高生がいそうな場所に行くなど、取材もされているのでしょうか。
和山 私の感覚で生み出しているだけなので、特に取材などはしていません。たまたま駅のホームなどで女子高生がいたら、「今どんな髪型が流行っているんだろう」くらいはチラッと見たりしますが、それくらいです。あまりじろじろ見ても失礼ですし……。
――2巻では、毎朝通学前にコンビニで肉まんの進化形「うどんまん」を買う生徒が、「うどんまん有段者」というあだ名をつけられたり、「タペストリー」を「ペタリスト」と勘違いしていた小林先生が、「ペタリスト」とつぶやいた瞬間に生徒から「ペタリスト小林」とささやかれたりするなど、「あるある」と思う笑いも描かれています。リアルさを感じさせながらギャグを描くのは難しいと思いますが、読者を置き去りにしないために、どのような工夫をされているのですか。
2021.07.30(金)
取材・構成:相澤洋美
漫画=和山やま