「私にはギャグ漫画を描く才能はないと、だいぶ前に諦めています」 『女の園の星』の和山やまが“半径3メートル以内の笑い”を描くわけ から続く

 女子校を舞台に、担任の男性教師・星先生と生徒たちの日常を描いた和山やまさんの最新刊『女の園の星』(祥伝社)が話題だ。毎朝、通学前にコンビニで蒸したての「うどんまん」を買い続ける生徒につけられた「うどんまん有段者」というあだ名や、星先生の同僚の小林先生が「タペストリー」を言い間違えた「ペタリスト」という言葉など、破壊力の高いキラーワードを次々と生み出す陰には、どのような苦労があるのか。登場人物の恋愛事情についても聞いた。(全2回の1回目/前編を読む)

『女の園の星』第1話を読む

星先生のビジュアル面は中村倫也さんと吉沢亮さんを意識

――和山さんが描くキャラクターは、みなそれぞれ個性が際立っています。『女の園の星』では、主人公の国語の星先生、隣のクラスの担任でポロシャツがトレードマークの数学の小林先生や、「いつも酒臭い」と生徒たちから言われている3年生の副担任・中村先生など、登場する先生方もみな魅力的です。誰かモデルがいるのですか。

和山 星先生は、ただ私の好みを描きました。ビジュアル面は中村倫也さんと吉沢亮さんを意識していますが、誰か特定のモデルがいるわけではありません。中村先生は、実際に自分の高校時代の数学の先生をモデルにしています。メガネにオールバックで、常に酒臭いところもそのままです。いつも背中が丸まっていたな、と思い出しながら描いています。

 あと、これは自分ではまったく意識していませんでしたが、1巻の宣伝をした際に読者の方から「小林先生は『寄生獣』に出てきそう」とコメントをいただいて、ああ、確かに!と思いました。もともと『寄生獣』はすごく好きな漫画なので、無意識ににじみ出ていたのかもしれません。

 

女子高生は感覚で生み出している

――2巻では、先生方のプライベートな部分も少しずつ明らかにされ、読者心がくすぐられます。キャラクターはどのようにつくっているのですか。

2021.07.30(金)
取材・構成:相澤洋美
漫画=和山やま