#226 Shakotan Peninsula
積丹半島(北海道)

 “青い海”というけれど、海水自体は無色透明です。

 海が青く見えるのは、光が関係しています。色は光があって、はじめて見えます。太陽の光は白くみえるけれど、虹の七色から構成されています。モノはある色を吸収し、ある色は反射して、目に届きます。

 水は“赤”色の光を吸収しやすく、残った“青”や“緑”の光が反射して、目に届きます。私たちは海水ではなくて、海水に反射した光を見ているのです。

 同じ条件の海などありませんから、場所によって青の感じ方が違うのは、もっともなこと。千差万別の青をたたえる海がある中、それでも特別だと感じさせる場所があります。

 そのひとつが、今回ご紹介する北海道西部、日本海に突き出た積丹(しゃこたん)半島。“積丹ブルー”と呼ばれる、絶品ブルーが待っています。

 ちなみに、積丹はアイヌの言葉で“シャク(夏)”と“コタン(村あるいは郷土)”を組み合わせた地名。夏に訪れるにはぴったりのネーミングです。

 海を間近に感じようと、まず体験したのが、スタンドアップパドルボード(SUP)。浮力のある大きめのサーフボードに乗ってパドルを漕いで進む、マリンスポーツです。

 しかも、今回SUPで目指すのは、積丹の「青の洞窟」です! 

 青の洞窟といえば、本家はイタリア・ナポリですが、沖縄本島や京丹後など日本国内にもいくつかあります。私自身も碁石海岸に続く2カ所目の青の洞窟。ちなみに、小樽にも青の洞窟はあります。

 今回は、ほぼ初体験のSUPで海岸線を進まなくてはなりません。いきなりボードの上に立てるはずもなく、正座スタイルで海面移動。

 安定した姿勢でいる分、視線を自由に動かすことができて、造形美がみごとな断崖を見上げたり、水中をのぞき込んだり。

2021.07.17(土)
文・撮影=古関千恵子