燃えろ自分! 冒険心と勇気を奮い立たせる名曲
●「ルパン三世のテーマ'78」大野雄二/アニメ『ルパン三世』
アニメソングという枠を超えた名曲。様々な音楽家がアレンジしており、長時間聴き比べしたことがあるが、全く飽きない! 驚異である。最初の「ルパン・ザ・サード!」という部分を「ルパンルパーン!」と思っていた方、手を挙げて。
●「The Summer Wars」松本晃彦/映画『サマーウォーズ』
バーッと目の前に大自然が広がり、そこを一歩一歩力強く踏みしめて歩くような、明るいリズムとメロディ。行進曲のようで元気が出る出る! 作曲は「踊る大捜査線」の松本晃彦さん。音符からポンポンポンとエネルギーが弾けて出てくるような曲を書く方だ。ちなみに映画『サマーウォーズ』は金曜ロードショーで2021年7月16日(金)放送だ!
●「交響組曲「ドラゴンクエストⅠ」」すぎやまこういち/ゲーム「ドラゴンクエスト」
ドラマではないが、ギリギリ入れてしまいたい。ゲームをしたことがない私ですら、落ち込んだときこの曲を聞けば「冒険の旅へ出かけよう」と切り替わる。こんな曲、なかなかない! 最初のホルンのファンファーレから、もう背中を押されまくりである。
仕事のやる気を上げてくれる名曲
●「LEGAL-HIGH」林ゆうき/ドラマ「リーガル・ハイ」
堺雅人主演「リーガル・ハイ」のテンション爆上がりなOP。「リーガル・ハーイ!」というセリフ部分を「打ち合わせハーイ!」「取材ハーイ!」など勝手に変えて脳内で流している。やる気が出過ぎてお喋りになるのが注意どころ。作曲の林ゆうきさん作品は、2009年のドラマ『トライアングル』の劇中BGM「cocoon」も名作。ぜひ、こちらも!
●「ドクターXのテーマ」沢田完/ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子〜』
聴くだけで「ふふふ、私は一匹狼……」と陶酔してしまう口笛(っぽい音)。自然と口から出てしまう「私、失敗しないので!」という決めゼリフ。仕事の意見交換で少数派になったとき、もしくは反対されてしまったとき、この曲を脳内で流し、大門未知子になりきって悔しさを抑えるという人も多い。作曲の沢田完さんはドラえもんの音楽も担当している。振り幅が広い。
●「テーマ・オブ・半沢直樹~Main Title~」服部隆之/ドラマ「日曜劇場 半沢直樹」
腹の底にドカドカ響いてくる重低音。怖い上司や嫌いな同僚も、この曲を脳内で流しながら会うと「今はムカつくけど、近い将来強い味方になってくれそうな気がする」と思えるから不思議である。
メンタルの揺れが大きくなる、デンジャラスな名曲
●「マイ・トゥモロウ」小曽根真/ドラマ『あしたの、喜多善男〜世界一不運な男の、 奇跡の11日間〜』
2008年に放送されたドラマ「あしたの、喜多善男」のメインテーマ。物語の切ないシーンでこれがガンガン流れるので、すっかり心に擦りこまれてしまった。今でも大好きなのだが、聴くと胸がギュッと絞られるような気分になる。ピアノの音って、心のデリケートゾーンにスルッと入ってくるから特に危険。
●「JIN-仁- Main Title」高見 優/ドラマ『日曜劇場 JIN-仁-』
夕やけが美しい日に聴くと最高。ただ、曲の壮大さに、歴史の大きな転換期に自分はいるのだということを強く感じて、ちょっと気が遠くなる。同じ意味でNHKスペシャル「映像の世紀」のメインテーマ「パリは燃えているか」(加古隆)も、心に響き過ぎて「うわあああ私は歴史の証人」と悶えたくなる破壊力。
●「宿命」千住 明/ドラマ『砂の器』
聴けば自動的に、主演だった中居正広さんの憂いある顔、親子が放浪するシーンが思い出されて泣けて泣けてメンタル大揺れ。「抗えない力、巡り合わせ」を感じ、心の琴線に「触れる」どころか、ジャンジャンと鳴らしてくるので、聴く前に覚悟が必要だ。
ふと自然に鼻歌で出てしまい、勇気づけられる曲。
それはもう、思い出深いドラマのメインテーマという枠を超えた、自分自身のメインテーマだ。
さあ、脳内のプレイヤーに針を落とそう。日常というドラマが始まる!
Column
田中稲の勝手に再ブーム
80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。
2021.06.22(火)
文=田中 稲