(4ページ目)“孤独”を乗り越えた金子大地の挑戦「手応えはまだない。だから頑張る」

「休日は、極力すべてのことをベッドの上で済ませたいです」

――「東京」は金子さんにとってどんな場所ですか？

　東京ですか？　なんの感情もない場所ですね。特に愛着もなければ、好きでも嫌いでもない、ただただ「東京」という感じです。

――それでも7年暮らしていると、故郷の見え方が変わってきませんか？

　地元にいる仲の良い友達4人のうち3人に、もう子どもがいるんです。独身はもう1人と僕の2人だけ。北海道に1週間ほど帰った時に、みんな仕事と家庭があるから以前のように朝まで遊んでくれなくなったのですが、「そりゃそうだよな……」とさみしくて。あの時は「東京に帰りたいな」と思いました。

――ということは、東京が金子さんにとって「帰る場所」になったんですね。

　そうなりたくなかったんですが、いつの間にか染まっていますね(笑)。

　東京で出会った友達とも仲良くなったので、東京に慣れたとは思います。生活する場所としては、自然が豊かな場所の方が好きですし、東京そのものは好きではないけれど、仕事が好きだからそのために東京にいるという感じです。

――過去のインタビューによると「無趣味」だそうですが、ステイホームの期間を経て、変化はありますか？

　相変わらず無趣味です。一番の幸せは睡眠です(笑)。暇な時も、ありがたいことに仕事が増えてからも、基本的に家ではずっと寝ています。中学の頃からずっと、寝たら起きないんです。

　なので仕事をしている時の方が生活は健康的です。休日は、「寝て、食べて、飲んで、寝る」のサイクルなので(笑)。今でも極力すべてのことをベッドの上で済ませたいです。

―― 一昔前のお父さんの日曜日みたいですね(笑)。

　そうですね(笑)。我ながらつまらない人間だと思いますが、それが幸せなので、変えようとも思わないです(笑)。今は仕事だけ頑張ります。

金子大地(かねこ・だいち)

1996年生まれ、北海道出身。2014年「アミューズオーディションフェス2014」にて俳優・モデル部門を受賞しデビュー。18年ドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日)、19年ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK)で注目を浴びる。最近の主な出演作に映画『ナラタージュ』(17年)、『探偵はBARにいる3』(17年)、『家族のはなし』(18年)、『殺さない彼と死なない彼女』(19年)、『君が世界のはじまり』(20年)、『バイプレイヤーズ～もしも100人の名脇役が映画を作ったら～』(21年)、ドラマ「チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜」(19年日本テレビ)、「バイプレイヤーズ～名脇役の森の100日間～」(20年テレビ東京)など。映画『サマーフィルムにのって』が2021年8月6日(金)公開予定。2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に源頼家役として出演予定。

映画『猿楽町で会いましょう』

駆けだしのカメラマン小山田修司(金子大地)がひょんなことから撮影することになったのは、まだ売れていない読者モデルのユカ(石川瑠華)。小山田は次々に彼女の写真を撮り、2人は次第に仲を深めていく。いつしか付き合うようになった2人だが、ユカには小山田に隠している秘密があった……。

監督：児山隆
脚本：児山隆、渋谷悠
出演：金子大地、石川瑠華、栁俊太郎、小西桜子、前野健太
2021年6月4日(金)より、全国順次ロードショー
http://sarugakuchode.com/

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