美肌&むくみ対策に効果的な入浴法って?

 お風呂の入り方は目的によって変わります。美容面においても入浴で眠りの質をアップさせることは不可欠! 美肌やむくみ対策に適した入浴法を知れば、さらに美容効果を高めることができます。

入浴法その(1):美肌づくり

 美肌づくりのポイントは、睡眠時に分泌される「成長ホルモン」。成長ホルモンは良質な眠りによって出やすくなります。快眠へと導くには、やはり40℃の湯船に15分の完全浴で汗がじんわり出るくらいの入浴がおすすめです。

 季節の変わり目は、気温差が大きく、自律神経のはたらきが乱れて、血行不良を招きやすくなります。そのため、お肌のターンオーバーが乱れ、バリア機能の低下につながることも。

 この時期は、酵素の力に頼ってみましょう。パパイヤやヒノキといった酵素系の入浴剤を週1回ほど、定期的に取り入れるのがおすすめです。酵素系の入浴剤には、お肌の表面の角質を分解して、汚れや古い角質を取り除いてくれる作用や、温熱作用もあります。

 また、さら湯に入るときには、水道水に含まれる塩素に気をつけたいところ。入浴剤(ビタミンCだけでもOK)を入れると塩素が中和され、お肌への刺激を抑えることができます。

 そして、美肌づくりには保湿量を多くすることがキーポイント。基本的な入浴の手順とは異なりますが、髪を洗った後に全身を洗い、保湿用のオイルを塗って、オイルまみれのまま湯船に浸かります。すべりがよいので、お風呂の中でのマッサージにもうってつけ。オイルで全身に膜を張ることで、水分蒸発を防ぐことができるのがメリットです。最後は、かけ湯だけして、体を拭いてパジャマに着替えましょう。

 ちなみに、フェイスパックをするなら浴室がベター。湿度が高いところでフェイスパックをしてあげたほうが、保水力がアップするといわれています。湿度の高い浴室は美容に絶好の場所。お湯に浸かりながらフェイスパックをしてあげると、時短にもなります。息苦しくなければ、換気扇を切るようにしましょう。

入浴法その(2):むくみケア

 半身浴による発汗でデトックス効果を期待される方もいるかもしれませんが、それは幻! 発汗による毒素の排泄量はごくわずか。体内の水分代謝が落ちることで、むくみは起こります。むくみには、血流をよくしてあげることが先決。その秘訣は、お風呂のお湯の量を多くすること。

 湯船に浸かると、体に水圧がかかりますが、その圧力を「静水圧」といいます。静水圧の大きさは水面からの深さに比例しますので、湯船が深ければ深いほど、受ける静水圧は大きくなります。

 静水圧が大きいと、手足にたまった血液が押し戻されて心臓のはたらきが活発になり、血液やリンパの流れをよくします。静水圧で尿意も促されるので、塩分や老廃物の排泄が促進されるといったメリットも。静水圧を大きくするためにも、しっかり肩までお湯に浸かりましょう。

 また、血流がよくなっている入浴中は、マッサージにもってこいのタイミング。シャワーの水圧を強くして湯船に入れる方法もアリです。普段マッサージしにくい太ももの裏などもほぐしやすくなりますので、心地よい程度でマッサージしましょう。

眠りの質をよくすることが、ダイエットへの近道

 お風呂で汗をかくことでダイエットしようと思っても、なかなか体重は減りません。それよりも、ちゃんと深く眠ったほうが、成長ホルモンの分泌が促されるので、「脂肪が勝手に燃焼される」「筋肉量がしっかり蓄えられる」など、痩せやすい体質に近づきます。

 湯船の中で、ストレッチやヨガをするのもダイエットに効果的ですが、まずは入浴で深部体温を高くすることが、最も大切な基本になります。

2021.05.13(木)
文=大嶋律子(Giraffe)
イラスト=押本達希