世界的な潮流でみると、NY、ロンドン、パリではヴィーガン人口の高まりにつれ、ノンアルコールが魅力的というムーブメントが確かにあるといい、宗教上飲酒を禁じている人の割合が多いシンガポールでも、おしゃれなノンアルコールバーが増えているのだとか。

 日本でもコロナ禍の影響で家呑みの機会が増え、新しいノンアルコールの飲み物が続々とショップに並び活況を呈している。美と健康のためアルコールの分解で体に負担をかけたくないと考える人の間でも、この新しい潮流は歓迎されている。

第1回  レシピも公開♪ 最先端ノンアルコールバー
第2回  ノンアルワインでヘルシー&キレイ 
第3回  進化するオシャレなノンアルを9アイテム  


ノンアルカクテルで思いっきり五感を刺激

 六本木にある「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE」で、マネージャーの菅谷健さんに、最先端のノンアルコールの楽しみ方を教えてもらうことに。

 「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE」は、2020年7月にオープン。「お酒でもない、ソフトドリンクでもない、新感覚のノンアルドリンク」というコンセプトのもと、味覚だけではなく、視覚や嗅覚、触感や聴覚をも刺激する工夫が店中にちりばめられている。まるで宇宙空間のような、フィーチャリスティックなバーだ。

 まずは一番人気のスペシャルなカクテルをご紹介。

フルーツを詰め込んだボトルがフォトジェニック

◆A Real Pleasure ゼロ(0)になる

 バジルとヴェチパーなどのハーブが香る、爽やかで上品な一杯。フルーツを詰め込んだボトルでサーブする。

 メープルシロップの甘さとレモンの爽やかさが上品で魅惑的な飲み物。ひとくちいただくと、自然と笑みがこぼれるような高揚感を味わえる。

スパイシーなカレーの香りを閉じ込めた不思議なドリンク

◆C. Halley’s Comet C. ハレー彗星

 ノンアル白ワインにカレーリーフやクミン、カルダモンやシナモンで香り付けをし、七味で辛さも加えた、類をみない新感覚ドリンク。玄米茶ベースのスモークがあしらわれていることからも分かるように、南インドのスパイスカレーの香りを総動員して創造されたカクテル。

 口の中で広がるのはカレーの風味なのに、おいしいドリンクであることで、頭が軽くパニックを起こし、それによって気持ちがハイになっていく。まったくミラクル。

 こちらの「C. ハレー彗星」のような、オリジナルのノンアルカクテルが、毎月3~4つのペースで生み出されている。

五感が騙されるアミューズメントな異空間体験

 アルコール以外のすべての手段を使って、私たちを楽しませてくれるのが、「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE」だ。

 バーの鏡ひとつとっても、それは少しゆがんでいて、まるで酔ったような、はたまた無重力のような空間を演出していたりする。

 サングラス型のスピーカーを貸してくれて、ASMRサウンドを聞きながら、ドリンクを愉しむこともできる。紙をやぶったりはさみでチョキチョキと切ったり、脳が心地良いと感じるとされる音を聞きながら、バーで過ごす時間は他では味わえない。 

 また、CBDオイル(大麻から幻覚成分THCを抜いた成分のオイル。WHOでも公式に認められている)も用意され、カクテルに1滴いれてもらうことも。CBDオイルが初めての人はごく少量から試してみては?

 仕事を終え、自分時間へのきっかけとしてアルコールを利用しているような人にとっては、緊張からリラックスへの転換となるだろう。

2021.05.01(土)
写真=平松市聖
文=CREA編集部