10位「ポッカ レモンティー」

「メーカーによると、世界初の缶紅茶らしい。当時、喫茶店などで飲む紅茶といえば、レモンの輪切りが添えられたレモンティーばかりだった気がする。1970年代に入ってから自動販売機は缶飲料がメインとなったが、多くは炭酸飲料やコーヒー、そしてフルーツ系。紅茶が好きだった私にとって、缶紅茶の登場は待ちに待った感が強かった。すぐに飲んでみたが、その甘さときたら飴を溶かしたような凄まじさ。なぜこんなに甘いのか、不思議だった」(ポッカ、1973年、紅茶)

9位「コロナパイン」

「山形県上山市にあった『志んこや』という和菓子店が作っていたパイン味のサイダー。地元の中高生が学校帰りに店先で飲んでいたという。現在は廃業されたようで幻になってしまったが、今もあれば話題になったのだろうか。ちなみにパイン味のサイダーは、山形を始め、秋田や青森で盛んに作られていた地サイダー。2000年代初頭まで、山形県内では数軒のメーカーが作っていたが、現在は少なくなっている」(志んこや、1960年代?、炭酸)

8位「ジャズイン」

「『誰でもオイシイ成人飲料』というキャッチコピーで発売された。パッケージやネーミングから、中身は想像できないが、実はティーソーダ。茶葉の苦味が感じられ、甘さも控えめだったので、確かに『大人の味』だったかもしれない」(ペプシコ、1990年、炭酸)

7位「テラ」

「アミノ酸リッチのアイソトニック飲料という位置づけだった。ノーマルな青以外にも、アップルやレモンなどの風味があり、缶も色違いのデザインだった」(味の素、1983年、スポド)

6位「なまむぎなまごめなまたまご」

「噺家のイラストで、なまむぎなまごめなまたまごという商品名。中身はミルクセーキだった。ワンシーズンで消えてしまったのではなかったか」(キリン、1980年代、その他)

2021.01.28(木)
文=清水 りょうこ
写真協力:久須美雅士(The Archive of Softdrinks)、スタジオ クライン、山崎幹夫、ほか飲料メーカー各社