毎年たくさんの新商品が生まれるドリンク業界。しかし、懐かしいジュースの中には「なぜこれを世に出した?」と疑問に思ってしまうものもあった。

 見た目や味が“謎”のドリンクから、当時は衝撃だったが今では定番商品になったドリンクまで、80年代から飲料関係の取材を続けている清涼飲料水評論家、清水りょうこ氏に、衝撃を受けた「謎ジュース」ベスト50を選んでもらった。

※カッコ内は(メーカー、発売年、ジャンル)

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50位「スポーツ麦茶」

「名前を聞いて“麦茶のスポーツドリンク割り”かと思ったら、麦茶に適度な塩分を加えて体への吸収を高めたものだった。横浜ベイスターズのキャラクター入り。たしか横浜の球場近くにある自動販売機に行って見つけたものだった。まずくはなかったけど、スポーツをしない自分にはあまり必要ではなかった」(清水氏、以下同)(カネボウ、1990年代、茶)

49位「マウンテンデュー」

「『新柑橘系飲料』という触れ込みで登場。確かに、それまで飲んだことがないような味わいだった。以来、パッケージのデザイン等を変えながら、現在も販売されているロングセラー」(ペプシコ、1981年、炭酸)

48位「タブ・クリア」

「透明なコーラということで、話題になったが、味的には微妙だったと記憶している。当時、大変人気のあったニュースキャスター・俵孝太郎がCMに出演」(コカ・コーラ、1993年、コーラ)

47位「つぶつぶオレンジ」

「つぶつぶ系フルーツ飲料の流行は1980年代。代表的な商品は、はごろもの『こつぶ』だろう。ジュースなのに果実を食べているような感覚で、とても驚いた記憶がある。この商品は名古屋へ遊びに行った際、地元のメーカーの自販機で購入したもの。1990年代は、まだまだ地方限定のメーカーの自販機などが残っていたので、見知らぬ土地の路地などを見て回るのが楽しかった」(ヤマト、1995年〔購入年〕、フルーツ)

46位「ポストウォーター」

「ライチ風味のスポド(スポーツドリンク)だった。画像は1993年のもの。缶だけでなくフラスコ型のビン入りもあって、とても話題になった」(キリン、1990年、スポド)

2021.01.28(木)
文=清水 りょうこ
写真協力:久須美雅士(The Archive of Softdrinks)、スタジオ クライン、山崎幹夫、ほか飲料メーカー各社