今、気になる旅行のスタイルといえば、情緒あふれる町を、ゆっくりのんびり楽しみながら、日本の魅力を発見する“小さな旅”。
今回は、瀬戸内海に面する安芸の小京都・竹原へとご案内します。
まずは町並み保存地区で“時をかける”散策

江戸時代から製塩業や酒造業で大いに栄え、豪商たちの屋敷が立ち並んでいる広島・竹原。
人口約3万人の小さな町ですが、旅人の心をなごませる魅力的なスポットがいっぱいです。

見どころは、なんといっても町並み保存地区。江戸時代の家並みが奇跡のように受け継がれ、人々の暮らしとともに美しい景観が大切に守られています。

のんびり散策すれば、すっかりタイムトラベラー気分。
歌手としても活躍している女優・原田知世さんの映画デビュー作「時をかける少女」のロケ地も実はここ竹原で、公開から40年近く経った今も、映画のワンシーンと変わらない光景がそこかしこに。

小さな路地でも、フォトジェニックなポイントにたくさん出会えます。
右:1758年に建立された西方寺・普明閣。舞台に登ると、竹原の町を一望できます。
そして、古きよき町並みのなかには、竹原ならではの素敵なスポットも。
まず立ち寄ってみたいのが「藤井酒造」。約160年にわたって竹原の酒造りの伝統を受け継いできた蔵元です。

風格ある木造蔵の一部が「酒蔵交流館」として開放されていて、無料の試飲コーナーも。
もちろん銘酒の購入も可能で、前掛けや甚吉袋などオリジナルの酒蔵グッズや、生活雑貨なども販売しています。

藤井酒造・酒蔵交流館
電話番号 0846-22-5158
営業時間 10:00~17:00
定休日 月曜(休日の場合は翌日)
http://www.fujiishuzou.com/
また、竹原といえば “竹の街”。「まちなみ竹工房」は、昔ながらの竹工芸の世界にふれることができるスペース。
手作りの優しい風合いが魅力的な籠バッグをはじめ、レトロな玩具や生活の便利アイテムなど、多彩な作品がずらりと並び、竹細工体験も楽しめます。

右:「道の駅たけはら」には、こんなかわいい竹の風車が。
まちなみ竹工房
電話番号 0846-22-0973
営業時間 9:30~16:00
定休日 不定休
道の駅たけはら
電話番号 0846-23-5100
営業時間 9:00~17:00
定休日 第3水曜(休日の場合は翌日)
http://michinoekitakehara.com/
2020.09.30(水)
構成・文=矢野詔次郎
撮影=志水 隆、中西 学、長谷川潤