茹でもよし、焼くもよし! 餃子の醍醐味が味わえる

 まずはお店イチオシの水餃子から! 皮はぶ厚く、弾力があってもっちもち! そして、皮に包み込まれた餡には、熱々の肉汁がしっかりと閉じ込められています。

 食べれば、口の中に肉の旨味が広がり、思わず「うまっ!」と叫んでしまうほど。ひとつひとつがずっしりとしているので、食べ応えも十分です。

 そして、焼餃子! 実は水餃子と同じ餃子を使用しています。

 ということは、当然、皮はもちもちで、中には肉汁がたっぷり! 油断していると肉汁がビシャーっと飛び出るので、ご注意くださいね。

毎日、朝から店内で餃子作り 肉を挽くところから始まります

 ところで、なぜこの店の餃子は、こんなにも皮がモチモチしていて、肉汁たっぷりなのでしょうか? その秘密は餃子作りにおける妥協なきこだわりにあるんです。

 「東京ギョーザスタンド ウーロン」の1日は、餃子の餡に使う肉を挽くところから始まります。

 使用するのは、スペイン産イベリコ豚のバラと国産の肩ロースです。その日の肉の状態を見てから配合比を決定。脂が溶けて旨味を逃すことのないよう、低めの温度で肉を挽き、餡を作ります。

 肉の食感をちゃんと残すために粗挽きにしているところもポイントです。

 一方、皮は北海道産の小麦粉を配合するところから作っていきます。そして、茹でたり焼いたりする直前に、皮を伸ばし、餡を包む。

 こうすることで皮が肉汁を吸ってしまうことを防ぎ、ジューシーでとびっきりおいしい餃子が食べられるというわけです。

 しかも、こちらの餃子を監修しているのは、中国の点心師やミシュランの星付きシェフ。彼らの知見を集めて生み出されたものなので、そりゃうまいに決まってますよね。

6種類のトッピングで 味変させるのも楽しい

 ちなみに水餃子、焼餃子ともに、タレをつけずに味わうのが基本ですが、お皿に盛られた「薬味5種&生ザーサイ」を頼めば、味変することもできます。

 薬味の内容は、ネギソース、白芝麻ダレとパクチー、きざみ大葉、紅生姜、粉辣油。これらに生ザーサイを加えた6種類をお好みで餃子にトッピング! 

 タネにいろいろな食材を加えたアレンジ餃子はほかでもよく見かけますが、この店の場合は、いわば、あとのせタイプ。そのため、薬味の個性を存分に活かせるんです。

 薬味は単独でのせるだけではなく、数種類を組み合わせることで、その味わいや楽しみ方が一気に広がります。

 例えば、白芝麻ダレとパクチーに粉辣油を合わせたり、きざみ大葉と紅生姜をのせるなど、いろいろな組み合わせにトライ! 自分のお気に入りを見つけてみてください。

 この店には、餃子のほかにもうひとつのイチオシがあります。それはクラフトビール。

 実はこの店の運営会社は、クラフトビールのプロデュースに長け、これまでも世界のトップブルワーたちと組んで、さまざまなビールを生み出してきました。そして、そのノウハウを生かして、餃子に合うビールを開発したのです。

 それが「ウーロンエール」! 素材に中国福建省の烏龍茶葉を使用し、ほのかな苦味とさっぱりとした後味を実現しました。

 飲茶をウーロン茶と一緒にいただくような感覚で、餃子とビールを楽しんじゃいましょう。

 この店で飲めるクラフトビールは、ウーロンエールだけではありません。

 スパイシーでドライな飲み口がのどを潤す京都醸造の「一意専心」や、栃木県産のはと麦を使用した、うしとらブルワリーの「爽健ビター」など、全5種類の個性派が顔を揃えます。

 合わせるビールが変われば、餃子の味わいも変わるので、いろいろ試してみてくださいね。

 ウーロンエール以外は、季節ごとに銘柄もチェンジ。さらに今後は、クラフトウーロンハイや、オレンジワイン、日本酒なども飲めるようになるそうです。

2020.08.22(土)
文・撮影=石川博也