「こんなのあったらいいな」を形にするSHIROの開発力

vol.064_SHIRO

 今回は「SHIRO」の巻。2019年にブランド設立10周年を迎え、存在感を見せてきた感じ。

 なかでもメイク製品が好調でファンが増えている。

 そもそもSHIROは、OEMメーカーの自社ブランドとして誕生したブランド。

「コンセプトありきの物作りではなく、自分たちが本当に使いたいものを世の中に届けたいと2009年にオリジナルブランドを立ち上げたのが始まり。

 15年にブランド名を『shiro』に変更し、10周年を迎えた19年にロゴを『SHIRO』に変えました」と話すのは、株式会社シロ代表取締役の今井浩恵さん。

 ボディケアやルームフレグランスなど香りをキーとしたアイテムに始まり、スキンケア、メイクアップとラインナップが拡大。

 国内のみならず、ニューヨークやロンドンに出店を果たし、グローバルな展開も進んでいるようだ。

「SHIROはどこのグループにも属していない“独立系”のブランドなので『NO』という答えはありません。

 社内でアイディアを出し合い、出来る方法を見つけてスピード感を持って実現していく。

 これまでブランドはさまざまな変化を経験してきましたが、この考え方はずっと変わっていません」

 北海道の砂川に自社工場を所有し、日本の自然素材を取り入れるのもSHIROのこだわり。

「自然素材の恵みを最大限に活かし、肌で効果を実感できる製品を作ること。

 原料には徹底的にこだわっています。お料理がきっかけで見つかった素材も多く、スキンケアに採用した“がごめ昆布”はまさにそう。

 他にも酒かすや亜麻など食べられる素材がほとんど。自分たちの目の届く範囲で良い素材を使いたいので生産者と直接交渉し、加工も独自で行っています」

 たとえば、がごめ昆布はとろみが強く、このとろみに優れた保水力がある。

 昆布を1枚ずつタオルで拭いて、適した温度に設定した水に浸し、とろみ成分を溶かし出すというから大変な作業だ。

「肌に有用な成分を取り出すためには手間を惜しみません。エキスだけ、オイルだけのシンプルな処方が多いのも純度の高い成分を使っているため」

 製品は社内のみんなで試して生の声を盛り込み、大学の研究機関と提携してエビデンスを取るなど、効果の追求は半端じゃない。

 使用感や機能性にこだわった品質の高さもOEMで培ったノウハウがあるからこそ。

2020.07.06(月)
Text=Masami Yoshida
Photograph=Kenichi Yoshida

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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