新旧「東京ラブストーリー」 見比べると新たな発見が

◆東京ラブストーリー

編集T 日本の作品だと、29年ぶりにリメイクされた「東京ラブストーリー」(A , F)! これは友達と一緒に観て、わいわい感想を言い合いながら楽しんでいます。 有名な「カンチ、セックスしよ!」というセリフですが、1991年版では3話目で出てくるのに対し、2020年版は2話のラストでもう言っているんですよね。

編集K それは気付かなかった! 「91年版で印象的だったセリフや設定、どうなるんだろう」と予想しながら新しいバージョンを観るとより楽しいですね。

 ドラマの本筋とは関係ないかもしれませんが、個人的にはリカのファッションに着目しています。91年版が大ヒットした頃、鈴木保奈美演じるリカの正統派トラッドスタイルが注目され、若い女性の間で流行したらしいんですね。

 同様に、石橋静河演じる20年版のリカのファッションもすごく素敵で、制作側のこだわりを感じます。今回のリカは、ぱっと目を引く原色のアイテムや、ひと癖あるモードなアイテムを颯爽と着こなしていて、91年版と雰囲気は異なるのですが、自由でとらわれないリカという女性像が、ファッションを通じて見事に表現されているんです。ちなみに、気になってスタッフクレジットを見たら、スタイリストの小川夢乃さんが担当しているそうで、「なるほど!」と膝を打ちました。

編集T そうなんだ! 私も注目して見てみよう。

編集K そういえば、最近「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」(ニッポン放送)で、R-指定さんが昔のトレンディドラマを観まくっているという話をしていて。「東京ラブストーリー(1991)」(F)や「恋ノチカラ」(F)の面白さを熱弁していたんですが、心の底から共感してしまいました。

 ついつい最新のコンテンツに目が向きがちだけど、この機会に過去の名作を掘るのも最高じゃないですか? 「聖者の行進」「神様、もう少しだけ」「ぼくらの勇気 未満都市」「ビーチボーイズ」とか、昔夢中だったTVドラマのことを思い出しただけで、エモさが押し寄せてきます!

編集T  「ビーチボーイズ」の広末涼子に憧れて、ショートカットにした過去を思い出しました(笑)。反町隆史演じる主人公がヒモっていう設定だったから、あのドラマで「ヒモ」って言葉覚えたなぁ。山田太一の「ふぞろいの林檎たち」「早春スケッチブック」とかも見返したいですね。

編集K 山田太一ドラマ、いいなあ〜。私は「想い出づくり。」が観たい! 時間が全然足りないですね。また面白い作品を見つけたら、すぐ教えてください!!

編集T

学生時代は銀座シネパトスと池袋シネマ・ロサで映画館バイトをかけもち。双葉十三郎著書の『ぼくの採点表』が人生のバイブル。普段はファッション担当。

編集K

編集Tと同じくファッション担当。最近は、『眠りに生きる子供たち』『オードリーとデイジー』『聖なる地獄』などの社会派ドキュメンタリー映画をNetflixで探す日々。

Column

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2020.06.13(土)
文=CREA編集部