国民的番組として愛されている朝ドラこと連続テレビ小説は、「エール」で102作目。

 巨人や阪神の応援歌をはじめ多くのヒット作を生んできた作曲家・古関裕而をモデルにした主人公・古山裕一(窪田正孝)の人生の物語となる。

 これまで月~土曜の週6回放送だったが、「エール」から週5回に短縮されたことで印象が変わるのか変わらないのか注目されている。

 2020年4月3日の金曜まで放送された第1週を見て、少し短く、余韻に欠けるかも? という印象を受けた。

 コロナウイルス感染で出演が予定されていた志村けんが第1話放送の前日に亡くなったことや、同じくコロナウイルスの影響でしばしの撮影中断が決定されるなど、出だしから波乱万丈ではあるが、内容は音楽や笑いなどもふんだんに取り入れながらヒューマニズムあふれるドラマになりそうである。

 主演の窪田正孝や相手役の二階堂ふみも演技派でしっかりした芝居を見せてくれそうだ。

 では、ここから“朝ドラを楽しめる8つのポイント”に照らし合わせながら「エール」の可能性を検証してみよう。ここから半年放送が続いていく「エール」。

 1週目を見逃してしまった人もこのポイントを押さえれば、今からでも最大限に楽しめるはずだ。

【その1】 どんな日でも流れる、朝ドラ名物「主題歌」

 朝のはじまりにふさわしい明るいもの。インストゥルメンタルと歌詞ありバージョンとがあるが、最近は人気シンガーの歌詞ありが多い。

 「エール」はGReeeeNの「星影のエール」で、さわやかな応援歌になっているが、第1話では冒頭に流れず、エンディングのように使用された。

【その2】“幼少時代”を演じる 子役にも注目

 主人公の半生または人生を描くドラマなので、幼少期からはじまることが多い。

 「半分、青い。」では母のお腹にいるところから描き、斬新と注目された。

 「エール」は、菊池桃子演じる母が主人公・裕一を出産したところから、一気に飛んで小学5年生(石田星空)に。

 ドラマにおける主人公の幼少時代は、本題にまだ入っていない感じがして退屈で、次第に短くされる傾向もあるが、逆に最近は、子供時代が良かった! と言われることもあり、「なつぞら」や「スカーレット」も子供時代が注目された。

 「エール」では、やがて三羽烏として音楽の道を歩んでいく主人公とふたりの友人を演じる少年俳優たちが各々しっかりした個性を発揮していて、応援したくなる。

2020.04.19(日)
文=木俣 冬