郷土料理こそがイタリア料理の真髄!

 イタリア各地方の郷土料理や、マンマが工夫して作った料理を研究している齋藤奈津子さんが、家でも出来る簡単なイタリア料理をご紹介します。


プリモピアット(パスタ)「ミックスパスタとじゃがいものナポリ風」

 ナポリ地方の郷土パスタ。

 主役は余ったパスタとじゃがいも。そして余ったチーズです。

 パスタとじゃがいもは、昔から庶民がお腹を満たすために食べられていた代表的な組み合わせ。

 そこに余ったチーズの皮(一番端の固いところ)や豚の脂などを入れて煮込むナポリの古い郷土料理です。

 イタリアでは、パスタ ミスタ(ミックス)といって、色んな種類のパスタがミックスされたパスタがスーパーで売られていますが、これは、パスタ作りが盛んだったこの地方の余ったパスタと、どんな家庭にもあったじゃがいもをたっぷりと使ったマンマの知恵料理。

 少しずつ余った、色んな種類のパスタを全部混ぜて使うなんて、なんて素敵なんでしょう!

 ということで、私も大好きなパスタ料理のひとつです。

 本来は冬に食べて温まるパスタですが、これから新じゃがが美味しい時期なので、今の季節にもぴったりです。

■材料(2人分)

・色んな種類のパスタミックス:140g
・じゃがいも:中2個
・玉ねぎ:半分
・にんじん:半分
・セロリ:半分
・パンチェッタ、またはベーコン(厚切り):70g
・トマトピューレ:大さじ2
・パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、または粉チーズ:大さじ2
・ローズマリー:1本
・塩こしょう:小さじ半分強
・オリーブオイル:大さじ2

■作り方[所要時間:40分]

① 玉ねぎ、にんじん、セロリはみじん切り、じゃがいもは1.5センチくらいの角切りにする。
② ベーコンも1.5センチくらいに切る。
③ 深めのフライパンにオリーブオイルをひき、玉ねぎ、にんじん、セロリを入れて3分ほど炒める。
④ ③にじゃがいもを入れ、トマトピューレ、水400ミリリットル(分量外)を加え、塩こしょうをふる。
⑤ ④にローズマリーを入れて蓋をして、じゃがいもが柔らかくなるまで煮る。
⑥ 別の鍋に沸かしたたっぷりのお湯にパスタを入れ、アルデンテになるまで茹でる。
⑦ ⑤のじゃがいもが柔らかくなったら、アルデンテに茹でたパスタを入れ、水を200ミリリットル(分量外)ほど足し
て、パルミジャーノ・レッジャーノを加えてかき混ぜる。

Point

・材料の豚肉は、油脂を足せればいいので、もし手に入ればパンチェッタがベストです。なければベーコンでもOK!
・野菜の量やじゃがいもの量はお好みで調整してくださいね
・茹で時間の違うパスタですが、細かい事は気にせず全部一緒でも大丈夫
・スパゲッティなどのロングパスタを入れる場合、4等分くらいに手で折って入れてくださいね。
・チーズの量はお好みでたっぷりかけるのがおすすめです
・パルミジャーノ・レッジャーノチーズがなければ粉チーズで代用しても大丈夫ですが、本場の味を楽しむために、パルミジャーノ・レッジャーノを使うと美味しさが増しますよ!

 知られざるイタリアの家庭料理。ぜひ、作ってみてくださいね。

齋藤奈津子(さいとう なつこ)

イタリア料理研究家。TVディレクターとして様々なジャンルのテレビ番組を制作するうちにイタリア料理の素晴らしさに目覚め、2009年、イタリア料理研究家1級を取得し翌年イタリアのフィレンツェへ料理留学。帰国後、イタリア各州の郷土料理を紹介する「イタリア家庭料理教室180℃」を開業。イタリアの食文化、そしてチョコレートを広める活動を続けている。インスタ:@natsukosaito0104

Column

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2020.04.16(木)
文・撮影=齋藤奈津子