日曜朝は子どもがアニメを見る 勝負の時間

――6期の『鬼太郎』のなかで、子どもがネットばかり見ていてテレビは見ない、というような描写があるのですが、そのような時代にテレビでアニメを届ける意義をどのようにとらえていらっしゃいますか?

永富 テレビが一番多くのお客さんに届けられるからです。ただテレビの影響力は、依然として1位ではあるのですが、相対的に見て少しずつ下がってきているように思います。

 テレビアニメをとりまく環境も厳しくて、子どもの数が減って子ども向けアニメの視聴率が取りづらくなった今では、子ども向けのアニメが地上波からどんどん締め出されていっています。

 象徴的なのが、『クレヨンしんちゃん』と『ドラえもん』が、金曜の夜から土曜の夕方へお引越ししたこと。今、ゴールデンタイムでやっているアニメって1本もないんです。

 となると、『鬼太郎』が放送されている日曜の朝というのは、子どもがアニメを見てくれる勝負の時間帯。

 なのに『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』も同じ時間帯に入っていて、子どもが好きなテレビ番組をリアルタイムで見づらい時代になっているなと思います。

 こういった状態が5年後、10年後どういう結果を生むのか。アニメをテレビで見てこなかった子どもたちが大きくなったときに、今のようにアニメを楽しんでくれる10代、20代が存在していてくれるのかどうかは疑問です。

 それもあって、面白いものを作らないと、テレビから子ども向けのアニメが必要とされなくなっていく、その恐怖はいつもあります。

――最後に、ラスト3話の見どころを教えてください。

永富 ぬらりひょんとバックベアードという“最悪”と“最悪”が手を結んで、人間を滅ぼそうとします。妖怪と人間、そしてあいだに立たされる鬼太郎、という3者の動きがどうなっていくのか。

 シリーズ最大のピンチが鬼太郎におとずれます。ぜひご覧ください!

★アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」はフジテレビほかにて毎週日曜朝9時放送中! ※地域により放送時間・曜日が異なります。

永富大地(ながとみ だいち)

1979年生まれ。福岡県出身。2002年東映アニメーション入社。プロデューサーとして、『デジモンユニバース アプリモンスターズ』『ワールドトリガー』『ゲゲゲの鬼太郎』などを手がける。

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2020.03.07(土)
文=CREA WEB編集部