徳川家の御用商人だった老舗で
将軍が愛した和菓子
老舗が建ち並ぶ日本橋では、江戸時代からの暖簾を誇る名店も少なくありません。
八重洲にほど近い「江戸風御菓子司 日本橋 長門」は代々、徳川将軍家御用達の菓子司。現在の店主は14代目。しおりには徳川吉宗公の代に創業し、のちに将軍家御用商人となり、苗字帯刀を許された(武士並みの身分ということ)という伝えが記されています。
こぢんまりとした店内には、季節の生菓子や将軍家ゆかりの銘菓が並んでいました。予約必須となる銘菓のなかでも有名なのが、葵の御紋をデザインした「葵最中」、一子相伝で店主のみが作ることのできる瓦せんべい「松風」。
その味わいを門井さんは、
「甘みと噛み応えがしっかりしている。スポーツマンタイプの吉宗が好きだったってわかります。京都と比べると江戸のお菓子は身分差がない。だれが食べても甘く、美味しい、こうゆうお菓子が好まれたのでしょう」
また散策しながら目についたのは、「千疋屋総本店 日本橋本店」。千疋屋も江戸時代から家業を継ぐ老舗。1834年、国内初の果物専門店として日本橋で開業し、徳川将軍家の御用商人となりました。
なかでも気になったのは、江戸(東京)の地域ブランドとして開発された「日本橋美人」シリーズ。千疋屋らしい上質のフルーツを取り入れた「日本橋美人」のスイーツやはちみつが、東京の手土産として喜ばれるに違いありません。早速、購入です。
2020.01.04(土)
文=上保雅美
撮影=佐藤 亘