食器、カトラリー、キッチン&バス用品……。生活の周りにある日用品を使わない日なんて、ありません。

 暮らしをともにする相棒だからこそ、アイテム選びは大切。最近はデザインを重視するだけでなく、「心地いい」「部屋に自然となじむ」ものが急増中。

 新たなコンセプトを掲げた雑貨屋さんが目立つ東京から、厳選8軒をご案内!

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#04 andu a met
(アンドゥ アメット)
[表参道]

手に吸い付くような心地よさ
なじませて「自分だけのバッグ」に

 仕事にショッピングに、毎日使うバッグや財布は、一番身近な日用品といえるかもしれません。

 トレンドよりも、手に持ち、触れて、しっくりなじむものこそ、日々使って心地よく、自分にとっての「オンリーワン」になるもの。

 この会社を2012年に起業した代表の鮫島弘子さんは、2015年に日系企業としては3社目となる現地法人をエチオピアに設立しました。

 現在、革の原産地であり製造も行っているエチオピアと、日本を往復する日々を送っています。

 バッグなどすべての製品は鮫島さんがデザイン。製作は現地スタッフ15人ほどで行っていて、丁寧にひとつひとつ手作りされています。

 ひと目見て、まず目を奪われるのは色の美しさ!

 鮮やかなピンク、ブルー、グリーンなど、決して子どもっぽく見えないのは、素材が世界でもトップクラスの質だからこそ。

 触れてみると、とても薄い一枚革が手に吸い着くようになめらか。持つと、これもまた驚くほど、軽いのです。

 そもそも、レザーの特徴は羊の生息地エチオピアの地理によるのだそう。エチオピアシープスキンは、ハイランドシープという羊のもので、ニュージーランドの羊のように上質な毛は持っていないけれど、肌が非常に強く、丈夫。

 繊維1本ずつが太く、弾力性があるので、薄くなめしても強度がしっかり保たれます。

 その丈夫さは、尖ったペン先を強く押し付けても歴然としています。破れることなくしなやかに伸び、その後は跡も残りません。

 そんなエチピアシープスキンの魅力をいち早く見つけた鮫島さん。

 きっかけは、日本で暮らしていた時、流行に左右され、物が大量生産、大量消費されることに疑問をもったことだった、と語ります。

2019.12.19(木)
Text=Yoko Maenaka (BEAM)
Photographs=Miki Fukano