お昼寝は12時間のリズム

 体内時計の主時計(親時計)は約24時間のリズムで働いているが、睡眠には12時間のリズムも関係している。

「一日のうち最も強い眠気は深夜2時前後に訪れますが、昼の14時頃にも眠気の強くなる時間があります。その時間に昼寝をすると、その後すっきり快適に過ごせるようになります」

 ただし、眠りすぎて睡眠物質が減ると夜の入眠に影響してしまうので、時間は短めにしよう。不眠気味の人は、昼寝は控えたほうがいい。

女性ホルモンとして知られる
エストロゲンは子時計

 女性ホルモンとして知られるエストロゲンも、細胞の中にある体内時計の子時計のひとつ。それによって月経などのリズムが保たれるようになっているが、それでも生活リズムが狂ったり、精神的ダメージがあったりすると不安定になりがちなのはご存じのとおり。

「女性の場合、生体リズムが乱れるとエストロゲンに影響を及ぼし、がんになりやすいとも言われています」

 乳腺や子宮だけではなく他の臓器にも影響しているホルモンだ。

●教えてくれたのは……
大塚邦明(おおつか くにあき)先生

東京女子医科大学名誉教授。九州大学医学部卒業。東京女子医科大学東医療センター教授、同病院長を経て、現在東京女子医科大学特定関連診療所所長。時間医学、睡眠医学を専門とし、『眠りと体内時計を科学する』(春秋社)など著書多数。

Column

CREA HEALTH

わたしの未来のカラダのために。

2019.01.28(月)
Text=Ayaka Sagasaki

CREA 2019年2・3月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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