仕事や人間関係など、現代社会は女性のカラダを知らず知らずに蝕むストレスがいっぱい。健康を保ち、元気に生活するためのヒントをお伝えします。
副交感神経が優位になる
リラックスした生活を
「休んでも疲れがとれず、慢性的に疲れているという人は、アーユルヴェーダの考え方では、消化力が低下している状態です」と話すのは、精神科医であり、インド古来の伝統医学であるアーユルヴェーダの知恵をクリニックの診療にも取り入れている西脇俊二先生。
アーユルヴェーダでは、消化力を消化→吸収→代謝という一つの流れで捉える。
「消化力が弱まると、消化しきれていない未消化物は、体に蓄積して毒素となり、不調や病気を引き起こしかねません。この未消化物を“アーマ”といいます」
西脇先生は、消化力には、もう一つ情報の消化力もあるという。
「会社の人間関係や家庭内の出来事など自分の外にある原因を些細なことでも溜め込むと、ストレスが蓄積されていき、いろいろな出来事に対する消化力が弱くなってしまう。うつ状態になっていく場合もあります」
2つの消化力は繫がっていて、互いに影響し合っている。
「たとえば、脳に栄養が行き届かないと、神経伝達物質に元気がでるノルアドレナリンや気分が安定するセロトニンが生成されないから、心にも影響し、うつになってしまう。たんぱく質を摂ることが大切ですが、変換するための酵素としてビタミンC、ビタミンB6、鉄、亜鉛が必要となるので、いっしょに摂るようにしましょう」
毎日の生活で、心身の毒素をデトックスするには?
「悪いものを出すために白湯を飲むこと、生のショウガを食べること、そしてお風呂できちんと温まることから始めましょう」
この3つは、西脇先生も実践している習慣だ。
「白湯を飲むと、内臓が温まり消化機能が活性化されて、老廃物をだしやすい体になります。血液の循環もよくなるので、冷え性にも効果的です」
白湯の温度は、体温より高い温度であること。1日何回飲んでもOKだ。白湯を飲むことで体温が1度上がると基礎代謝が10%アップするのだとか。また生ショウガは、消化力を高めてくれる。入浴も、発汗によって体内の老廃物をデトックスする効果がある。
「疲れているということは、いつも緊張している状態です。視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の五感も鈍っています。副交感神経が優位になるリラックスを心がけましょう」
まずは、体の緊張をとる漸進的筋弛緩法からスタート!
2018.12.10(月)
Text=Kaoko Saga(Lasant)