タロコ族の青年が立ち上げた
部族文化を伝えるブランド

 台湾には漢人系住民のみならず、中国語で「原住民族(※)」と呼ばれる少数民族が暮らしています。

 タイヤル族、アミ族、パイワン族、ルカイ族、プユマ族、タオ族、タロコ族、サイシャット族など、現在、政府の認定を受けているのは16部族。それぞれが独自の文化を持ち、言語や習慣に差異が見られます。

 今回はそういった彼らの文化に迫るショップをご紹介します。

 台北市の西部、迪化街に店を構える「花生騒」は台湾原住民族の文化をモチーフにしたファッションブランドです。店内には部族の伝説に登場する動物たちを描いたカジュアルウェアや伝統的な紋様をモチーフにしたアクセサリー、月桃の葉を編んだかごバッグなど、個性的な商品が並んでいます。

 ここを経営するのはタロコ(太魯閣)族のDerlaさんと、大学時代の同級生だったというデザイナーのWoodsさん。

 Derlaさんは大学時代に原住民族の青年が集まるイベントに参加し、自らのルーツに目覚めたとのこと。「若い世代にも部族の文化に興味をもってもらいたい。また、外国の方々にも台湾の豊かな文化を知ってもらいたい」との思いを抱き、ブランドを立ち上げました。

 Derlaさんたちは商品のデザインを考える際、伝説や昔話などを調べるほか、実際に集落を訪ね、長老たちに話をうかがうのだそうです。

 伝統文化を大切にしながらも、若者たちを惹きつけられるように、ファッショナブルで実用的な商品を開発しています。また、オリジナルグッズ以外に、友人たちが手がけた作品も扱っています。

 店の2階には原住民族の文化を紹介するスペースを設け、織物教室やアワ酒作りなどのイベントも開催しています。

 これからは単なるショップではなく、文化を発信する基地として注目されていくことでしょう。

※台湾では「原住民族」というのが正式な表記で、「先住民」は「すでに滅んでしまった民族」という意味になりますので、ここでは現地の文化を尊重し、「原住民族」という言葉を用いています。

2018.10.19(金)
文・撮影=片倉真理