世界に誇る有名醸造所で
無濾過・非加熱のビールを
右:リサイクルガラスのボトルと新しいガラスのボトルに入ったピルスナー・ウルケルが、1時間に各6万本も造られる。
プラハから車で1時間半ほど走れば、ビール大国プラハの誇るビールの名産地ピルゼンだ。ここで1842年10月5日からピルスナー・ウルケルを造り続け、今や世界50カ国に輸出しているという「ピルスナー・ウルケル醸造所」で見学ツアー(1人250チェココルナ)に参加した。
バスで回るほど大きな醸造所。まずは、ビジターセンターで「ピルスナービール」の歴史を聞く。
13世紀に時の王ヴァーツラフ2世がビールの醸造許可をこの街に出した時は、製法もみんなばらばらで、まずいビールしか造れなかった。
そこでドイツのバイエルン地方からビール職人ヨーゼフ・グロールを呼び寄せて造ったのがピルスナー・ウルケルというラガービール。以来、工場は現代化されているがオリジナルのレシピ、原料、製造工程を守り続けている。
ビール造りには、酵母がタンクの底に沈んでいく下面発酵=ラガーと、酵母が上に浮いていく上面発酵=エールがある。ピルスナーは下面発酵のラガービールで、上面発酵より発酵させる時の温度が低い。
![昔、醸造・発酵を行っていたひんやりした地下醸造室も見学コースに入っている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/8/-/img_b8671f4e7f9db5e95889395f0eb0c0e3156419.jpg)
昔は、地下12~21メートルに長さ9キロの地下道を掘って、面積3万2000平米にもおよぶ地下室を造って醸造をしていた。
現代のビール工場を一通り見学して、最後はこの地下醸造室で、昔ながらの樽から無濾過で非加熱のビールを一杯試飲。
Pilsner Urquell Brewery
(ピルスナー・ウルケル醸造所)
所在地 U Prazdroje 64/7, 301 00, Plzeň
電話番号 0377-062-888
http://www.prazdrojvisit.cz/en/
![巨大なソーセージに、ビールは迷わず無濾過を注文。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/2/-/img_c2da0f37b5f7a7cbe6649c44aecea0d0157825.jpg)
見学後は、おいしかったピルスナー・ウルケルの無濾過ビールの味をいま一度ということで、ビール醸造博物館の隣にあるビアパブの名店「ナ・パルカーヌ」」へ。「ナズドラヴィー!(乾杯)」の掛け声と共に飲んだ一杯は、忘れ難い思い出になる。
Na Parkánu(ナ・パルカーヌ)
所在地 Veleslavínova 59/4, 301 00, Plzeň
電話番号 0377-324-485
http://www.naparkanu.com/en/na-parkanu/
【取材協力】
チェコ政府観光局
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
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2018.08.07(火)
文・撮影=小野アムスデン道子