今、グルメの間で注目を浴びているのが、島根県美郷町で捕獲された猪の肉を使用した缶詰。本格派フレンチビストロが、同町と共同で開発した逸品です。缶詰博士・タレントの黒川勇人さんが、話題の缶詰の魅力を語ってくれました。


 島根県というと出雲大社、出雲そば、松葉ガニ……といったイメージでしたが、最近、非常にインパクトのある「ジビエ缶」で認識を改めました。

 ジビエを缶詰にして、家庭で手軽においしくいただくというアイデアは、町おこしにもなり、いいことずくめ。これは島根県の美郷町という地域で捕獲した猪を現地の工場で加工、調理しています。

 ひとくち食べて驚きました。まるでレストランのようなクオリティ。なにより素晴らしいのが、うま味調味料や添加物を一切使っていないことです。大量生産の大手メーカーでこれを実現するのは難しく、地元の小さな工場で作っているからこそのメリットかもしれません。それでも猪肉のクセや臭みを感じることなく、うまみがしっかり引き出されています。

 ここ数年のグルメ缶詰のブームで、「缶詰って安いけど、おいしくもないよね」という認識が変わりました。このジビエ缶も、日本の缶詰史に一石を投じることでしょう。

本格派フレンチビストロの味を
閉じ込めたスーホルム ジビエ缶

アクタスが品川・天王洲で運営するレストラン「スーホルム」が島根県・美郷町と共同で開発。農家に被害を与え、社会問題になっている猪をジビエ缶に。スーホルムのシェフがレシピ開発を担当、加工を地元で行うことで、雇用も生み出している。

2018.08.06(月)
Text=Yoko Maenaka(BEAM)
Photographs=sono@bean
Styling&foods=Sumie Yuki

CREA 2016年8月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いまの47都道府県いいとこどり。

CREA 2016年8月号

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