豊かな自然と共存するアヴェダの本社。隣には、エコサート認定を受けた工場もある。「この土地全体に、いい気が流れているのを全身に感じます」と、道端ジェシカさん。

 オーガニック、環境保全、支援活動、チャリティ。アヴェダと道端ジェシカさんを結びつけるキーワードは無数にあり、かねてより彼女は、アメリカ ミネソタ州ミネアポリスにあるアヴェダ本社への来訪を強く希望していた。そして、2016年12月、その願いがついに実現!

 アヴェダ本社での濃密な2泊3日の旅に密着し、アヴェダの中核を成すアロマブレンドのラボから、普段なかなか見ることのできない社員食堂でのランチまで徹底的にご紹介。

香りなしに製品は完成しない
アロマラボでアヴェダの神髄に触れる

様々なアロマを体験。オーガニックと非オーガニックのエッセンシャルオイルの香りの嗅ぎ比べも。「オーガニックのローズは香りに奥行きがあり、さまざまな成分が含まれているのを感じます」。

 アヴェダ本社に到着して、最初に訪れたのが「アロマラボ」。ピュアフューマー(アヴェダ専属調香師)のガイ・ヴィンセント氏の案内で、ジェシカさんが常々感じていた、“アヴェダっぽい香り”の秘密が解き明かされることに。

「ラボの初代調香師が日本人だったのも驚きでしたけど、それ以上に、このラボからアヴェダの全製品のアロマブレンドが生み出されている、ということに驚きました。しかも、香りの最終決定権は、すべてガイさんに委ねられている。だからこそ、アヴェダ製品に共通する、あの印象的な香りがキープされているんですね」

 アヴェダでは現在、エッセンシャルオイルの94%がオーガニック認定を受けているが、世界的に見てもオーガニックの原料は希少だ。ヴィンセント氏は原料のパレットを増やすために、あらゆる国の農家やオイルの作り手のもとを訪ね歩く。

「調香師であるガイさんご自身が原料の調達にも関わっている。アヴェダのモノづくりの精神が伝わってきます」

調香の技術だけではなく、科学化粧品、医薬補助品、パーソナルケア業界といった幅広い知識を持つ調香師 ガイ・ヴィンセント氏によって、アヴェダの全製品の香りが生み出されている。

 香りは記憶を呼び起こし、感情を生み、体にも影響を与える。植物に由来するエッセンシャルオイルに含まれた、何百もの成分が複雑に組み合わさることで、単に “いい香り”では終わらない“効かせる香り”になるという。

「自然のままの植物のパワーをまるごと取り入れるから、香りを身にまとうことを目的としたフレグランスではなく、心と体に作用するアロマと呼ぶというガイさんのお話がストンと心に落ちました」

 アロマラボに続き、アヴェダのヴィジュアルや製品づくりについて各担当者からレクチャーを受け、最後に、アヴェダスパで長旅の疲れを癒して1日目は終了。

「チャクラ バランシング ミスト」シリーズのピュアフュームは、ブランドの創立とも深く関わるインドのアーユルヴェーダの智慧からインスピレーションを受けて誕生したアヴェダらしい製品。

2017.01.30(月)
文=今富夕起
撮影=Chika Okazumi、Stephanie Colgan