沖に浮かぶ不思議な物体の正体とは?

ビーチチェアではなくて、ガゼボで過ごすのがビンタン島風。

 ヤシの木がにょきにょきと生えるトリコラビーチはのんびりとした空気感があり、地元の人も週末に訪れる美しい白砂ビーチ。地元の人いわく“海の家”という小さなガゼボが海沿いに並び、そこで海辺の時間を楽しむのです。

スノーケリングやマリンスポーツが楽しめる、ブララス島。

 ふと、ビーチから沖に目をやると、船にしては大きなモノが無数に浮かんでいるのに気が付きました。石油プラント? 小型の艦船?

こちらが、ケロン。移動できるタイプの漁民の家です。

 聞くところによると、“ケロン”という漁民の家なのだとか。やぐらを組んだ床部分にいくつかの浮きを付けた、簡素な造りの木製の小屋です。その家ごと小舟でけん引して沖へ移動し、数日間にわたって漁を行い、水揚げするために陸へ戻る。そして、ふたたび沖へ、という生活パターンなのだそう。

 トリコラビーチ界隈だけで100軒(隻?)以上を数え、夜には海上に蛍光灯を灯したケロンが一列に連なり、まるで半島が突き出した地形のようにも見えます。

ケロンの中には固定型も。こちらはピクニック・ツアーで利用するケロン。

 ケロンに俄然、興味津々! 内部はどうなっているのだろう? と、気になっているところに、ケロンでのバーベキューランチのツアーがあるとのこと。しかも無人島のブララス島でのスノーケリング付きのプラン。面白そう!

ケロンの周辺でスノーケリングしたり、ビーチベッドで日焼けをしたり、洋上生活を楽しめます。

 このツアーで利用するケロンは、漁師さんから借り受けたもの。海にぽつんと浮かぶケロンに上がると、魚が泳ぐ網を張った生簀があり、デッキテラスにビーチベッド、室内にはテーブルとイスが置かれています。レンタル用のため、期待した漁師さんの生活感はないけれど、洋上基地を貸し切っての海遊びはワクワクしてきます。

2016.12.03(土)
文・撮影=古関千恵子