トロントのクラフトビールの草分け

2012年にオープンした「アムステルダム・ブリューイング・カンパニー」のビール醸造所&バー。

 2016年に創業30周年を迎えた「アムステルダム・ブリューイング・カンパニー」は、トロントのビール醸造所の草分け。エール、ラガー、スタウトという3種類のビールで1986年に創業した。併設されたバーでは毎日ていねいに造ったフレッシュなビールを飲むことができるとあって、またたく間にトロント市民の憩いの場となった。

バーと同じ建物で、毎日フレッシュなビールが手造りされている。

 現在の場所に移転したのは2012年のこと。創業時よりも規模が大きくなった。併設のバーは今も人気で、造りたてのビールを飲んだり、買ったりする人々が絶えない。創業時に30人だった従業員は92人に増えた。季節限定品を含め、4つのブランドで、年間16種類のビールを造っている。

バーは天井が高くて開放的。広々としたスペースに、テーブル席とカウンター席がある。
タップから注ぎたてのビールをいただくならカウンターがオススメ!

 現在のオーナーは、ジェフ・ケアフットさん。アメリカで10年間、ビールの輸入を手がけ、1998年にカナダに帰国した。彼がビール醸造所にこだわっている理由は明白だ。「輸送にはコストがかかるし、鮮度が落ちる。毎日、造りたてのビールを、美味しいうちに飲んで欲しい」と。トロントで人気のこれらのクラフトビールは、他の国では飲むことができないビールなのだ。

造りたてのビールにこだわるジェフ・ケアフットさん。

 そんな歴史を伺っていると、目の前にビールが並べられた。時刻はまだ午前中だ。でも、ビール醸造所取材にテイスティングは必須だもの(笑)。並べられたビールをひとつずつテイスティングした。

左からスタークピルスナー、季節限定のホームグロウン、クルーザー、ボーンシェイカー・インディアペールエール。

 スパイシーなアロマが香るスタークピルスナー、秋から春にかけて造られるアルコール度7.1%のIIPAで、4種類以上のモルツをブレンドした苦みが強く賞を取ったこともあるというボーンシェーカー・インディアペールエールなど、どれもフレッシュで香り高くて美味しい!

それぞれに特徴のある個性的な味。どれもフレッシュで香りがいい!

 バーは、カウンターの他にテーブル席もある。開放的な天井の高さは醸造施設と同じ建物にあるからこそ。大きなタンクが収まる高さなのだ。壁はギャラリーとなっていて、この日は鮮やかな色使いの絵が展示されていた。

ビールだけでなく、グラスやTシャツ、帽子など、ロゴ入りのオリジナルグッズも買うことができる。

 バーの隣では、造りたてのビールのほかに、オリジナルグッズも販売されている。ビール取材で残念なのは、美味しいビールをあれこれ買って帰るのが難しいこと。スーツケースに詰めて日本に持ち帰るには、重たくなりすぎるから。ここでもグッと我慢した(笑)。

Amsterdam Brewing Company
(アムステルダム・ブリューイング・カンパニー)

所在地 45 Esandar Drive, Toronto, Ontario, M4G 4C5
電話番号 416-504-6882
http://www.amsterdambeer.com/

2016.11.15(火)
文・撮影=たかせ藍沙