透明度の高い海の底ももちろん二枚貝尽くし

デナムの街にある、シャークベイ・ディスカバリーセンター。シェルビーチやハメリンプールなど、シャークベイに関することを学べます。

 さらに雨によって空気中の二酸化炭素が貝殻に吸収され、化学反応を起こし、貝たちはゆっくりと合体していったとか。そして4000年の年月をかけ、古いものは重みで圧縮もされ、石灰岩の頑丈な塊と化し、表層は真っ白な貝殻の集積となっていったのだそうです。

石灰岩状になった貝殻の“コキナ”を切り出し、利用した建物がデナムには残されています。
壁に近寄ってみると、無数の貝殻が圧縮されているのがわかります。

 この古い地層ならぬ貝殻層は“コキナ”と呼ばれ、かつては切り出して、石塀や石壁などの建材として使われていました。今でも、シェルビーチの北西約45キロの街、デナムにはコキナを使った建物のレストランが現役で残っています。

子供にとってビーチは大きな砂場。しかもここは貝でできている!

 で、お目当てのシェルビーチへ!

 パーキングから低木や雑草の合間の砂の道を進むこと、約100メートル。目の前に、真っ白なロングビーチが広がります! 大きさ1センチほどの二枚貝の浜が、どこまでも続き、指先で掘ると、砂も混じってきます。掘っても、掘っても、貝殻、貝殻、貝殻!

海底も、もちろん貝尽くし!

 海に入ってみると、その透明度の高さに驚きます。塩分濃度が高いためにプランクトンがいないので、濁りもなければ、魚の姿も見かけません。

 そして海底はやはり一面、貝殻で覆われていました。少し沖へ泳いでみると、やや砂泥が混じってきてはいましたが、やはり二枚貝尽くし(海から上がると、肌に塩の模様が残るほど、塩分が濃いもよう)。

2016.08.27(土)
文・撮影=古関千恵子