インテリアは難易度の高い甲冑である

ジェーンさんは、しまおさんの著書『マイ・リトル・世田谷』に大変な感銘を受けたという。

しまお ファッション、インテリア、メイクかな。でも、インテリアはあんまり人に見られないから。

ジェーン そうですね。よくいわれるんですよ、「仕事場とか家とかで取材させて」って。無理に決まってんじゃん! 何いってんの? って(笑)。

しまお 私はもう実家使っちゃいますけどね。

ジェーン あ、そうですよ。しまおさんのご実家は、メチャ素敵じゃないですか。

しまお 素敵っていうか、まあ、ゴチャゴチャしてるけど。でもインテリアはやっぱり駄目だな。どうしていいのかわかんないですもんね。

ジェーン インテリアは、ファッションとはまた違う立体的なセンスがないと無理ですよね。

しまお センスっていう言葉自体が嫌ですもんね。

ジェーン もうね。つらいね。

しまお つらいつらい。もう、全部つらい。そういうのが全部つらい。

ジェーン でも、結局そういうもの一つずつが甲冑となって。

しまお なんでこんなにがんじがらめになっちゃうんですかね。

ジェーン やっぱり朝起きたまま外に出るのができないのは、自分自身の見栄もエゴもあるし、あとは外からの圧もあるし。そのバランスがいまいちうまくいかないと、前向きに外に出ていくってことができなくなっちゃうんですよね。

しまお 私も子どもができて、子どもを甲冑っていってしまっていいのかわかんないですけど、子どもがまた自分の見え方を……。

ジェーン 決めてきますよね。

しまお まあ、私はそのことで悩んではいないんですけど、「母界」はそれが少なからずある。

ジェーン 母界の「界」は「魔界」の「界」ですよね?

2016.07.19(火)
構成=臼井良子
撮影=鈴木七絵