安いものほど効くという新しい方程式
一方で、花王のビオレなどは、天下の花王が言ってみれば最初からお金に糸目をつけずに研究開発したものだから、あんな安価で売れるなどふつうは考えられないと、業界を驚かせたりしているほど。研究所の大きさは今やますます重要。ありきたりのものはどこでも作れても、画期的な、ずば抜けて新しいものは、 基礎研究にもお金をかけ、新しい技術を世界から集めている大研究所でないと作れない時代になっていると言ってもいい。
何よりそういう大研究所で作られていると思うだけで、1,000円の美容液だって効いてしまう。“逆プラセボ効果”も期待できてしまうのだ。そう、高価格だからのプラセボ効果だけじゃない。先進技術の粋を集めた大研究をイメージをしただけで、効いてしまう。そういうプチプラのプラセボ効果も成立するのだ。
しかも、「こんなに安くてこんなに効くのか」という驚きも含めると、安いものほど効くという新しい方程式も生まれそう。もう侮ってはいけないのだ。極上のプチプラコスメたちを!
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2016.07.05(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫